冒険好きな写真家が迷い込んだ「空き家」 思いがけず生まれた友情

冒険好きな写真家が迷い込んだ「空き家」 思いがけず生まれた友情

(Illustration - Shutterstock)

カナダ・オンタリオ州出身のレスリー・デヴィッドは、不気味な廃墟を探検するのが日課だった。ある日、廃墟を訪れ写真を撮影していた彼女が家の扉を開けると、衝撃的な光景が広がっていた。


レスリーは、Instagramのアカウント「The Tourist」を通して、放置された空間を写真に収め、その美しさを見いだすことに情熱を注いでいる。この日見つけた赤レンガのぼろ家に、彼女の想像力は掻き立てられていた。

歩道から見えるその家がとても気に入った彼女は、好奇心を抑えられなくなり思い切って中へと入った。そこで見つけた物陰に潜むあるものが、彼女の人生を大きく変えた。


レスリーは、旅の記録となる最初の1枚に「この家に心を奪われました」とコメントを添えた。「庭は生い茂り屋根は崩れ落ちていて、だれもが中はもぬけの殻だと思うはずです」

しかし彼女はすぐ、そうではないことに気が付いた。

驚いたことに、このボロボロの家は空き家ではなかった。彼女は家の中でローレンスという名の1人の老人と出会ったのだ。


ローレンスは2000年に雄牛に激突されて怪我を負っていた。彼はまた右目を失い、左目も白内障を患っていた。兄弟は病気で連絡を取っていないのだという。


レスリーは、「彼は外出することも困難なので、ほとんどの時間を家の中で1人で過ごしています」と語った。

若い写真家に居場所を知られてしまったローレンスだったが、彼女がいることに何の不満も示さなかった。「彼はとても優しく接してくれました。写真も快く撮らせてくれて、どれも私の宝物になっています」


レスリーはまた、「彼はとても美しい心の持ち主です。これからも彼の元をたくさん訪れたいと思っています」とコメントした。

そして彼女はその約束を守った。

予期せぬ出会いからすぐに、レスリーとローレンスは夕食を共にした。彼女は「3時間のコースの間に食べて飲んで、たくさん笑いました」とコメントした。ローレンスは彼の人生の試練と苦難を語り、レスリーはその物語に魅了された。

2人は固い友情で結ばれ、レスリーはローレンスの身の回りの手伝いをするようになった。しかし彼女の努力も虚しく、ローレンスの健康状態は急速に悪化していった。


レスリーは心の内をこう明かした。「これが彼と過ごす残りわずかな時間になるかもしれません。私は彼にできるだけ快適で楽しい時間を過ごさせてあげたいと願っています」

新たな友情のおかげで、ローレンスは劇的に活気を取り戻した。彼はレスリーを教会のバーベキューに誘い、彼女は喜んでそれに応じた。2人にとって初めての外出だった。


その後、脳卒中を起こして病院に入院していたローレンスは、地元の老人ホームに入居することになった。レスリーは愛犬バイオレットを連れて彼をたびたび訪ねるようになり、バイオレットは老人ホームの人気者になった。


レスリーのInstagramには、ローレンスの容体が気になるフォロワーからたくさんのメッセージが寄せられた。今日まで、物語の結末は彼女の胸にしまわれている。しかし大切なことは結末ではなく、2人が出会い共に過ごした時間の中にある。

レスリーはこうコメントした。「彼の魂は今も活気に満ちあふれています。私は彼に出会えたことを心から感謝し、彼も同じ気持ちだと言ってくれました。彼の存在がどれほど大きな意味を持つか、とても言葉で言い表すことはできません」

(大紀元日本ウェブ編集部)

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