インド太平洋地域のパートナー、中国の拡大を食い止めるために連携すべき=専門家

インド太平洋地域のパートナー、中国の拡大を食い止めるために連携すべき=専門家

米沿岸警備隊のカッター(警備艦) 参考写真(GettyImages)

海洋のパワーバランスに関する討論会が10月6 日、横浜で開催された。米国、日本、インド、オーストラリアなど、自由で開かれたインド太平洋構想の価値を共有する国の外交官や軍事専門家は、インド太平洋地域の重要性の高まりと南シナ海の緊張の高まりについて議論した。

米軍公式紙スターズ・アンド・ストライプスによると、海上自衛隊の観艦式を控えて、米国、オーストラリア、インドおよび日本の専門家が横浜に集まり、地域の海洋パワーバランスについて議論した。

防衛省によると、10月14日に相模湾で行われる観艦式で安倍晋三首相は観閲官として、米国、カナダ、シンガポール、英国、インド、オーストラリア、中国を含む46隻の艦船と40機の航空機を迎える。

出席したインドの元外務大臣アンブ・カンワル・シバル(Amb Kanwal Sibal)氏は、中国の台頭は威圧的で、破壊的な行動を伴い、アジアの土地と海域の両方を支配しようとしていると述べた。ベテラン外交官でもある同氏は、インドは中国を「最大の挑戦者」と見ているという。中国は、資源の豊富な南シナ海と東シナ海を中国の「領海」とみなしているが、国際法では公海と定めている。

専門家は、それぞれの国の海軍力の協調を通じて、中国の領土拡張の野望への防波堤となることで意見を一致させた。シバル氏は「中国を完全に封じ込めることはできない。つまり(連携は)中国の破壊的な活動を可能な限り食い止めることにある」と述べた。

横須賀に駐留するアメリカ海軍の潜水艦部隊・第7潜水艦部隊(CSG-7)の司令官ジェームズ・E・ピッツ(James E. Pitts)少将は、日本、米国、インド、オーストラリアの4国はインド太平洋地域で重要な利益を共有していると述べ、同地域が「急速に世界経済の中心地となった」と指摘した。

インド洋と西太平洋の間にある商業海路の一部である南シナ海には、世界貿易の約60%、海運量の推定3分の1が通過すると言われている。また多くの国の海軍にとっての交差点でもある。

戦略研究センター・アジア海事透明性イニシアチブの報告によると、中国は2010年以降、南シナ海の27の島とサンゴ礁を軍事化した。国際法は、これらの島の主権をめぐる中国の言い分を認めていない。しかし中国は、島の12海里以内を通過する場合、許可が必要だと主張している。

討論会でパネルモデレーターを務めた拓殖大学総長・森本敏氏は、南シナ海における米中関係は、アテネとスパルタにまでさかのぼる、既存勢力と新興勢力の歴史的な対決を彷彿とさせると述べた。「これらの緊張関係は歴史上、何度もあった」「両者の衝突は避けられない」森本氏は、野田内閣時代の防衛大臣を務めた。

豪州国立大学の国家安全保障大学・上級研究員のデビッド・ブリュースター(David Brewster)氏は、米国は引き続き南シナ海において最大の力を確保しているが、中国の影響力が拡大するにつれて、インド太平洋における優位性は相対的に低下していると見ている。

ブリュースター氏は、米国の影響力を維持するために、米国が太平洋全域の安全保障パートナーシップにもっと重点を置くよう提案した。「多くの人が、インド太平洋地域で始まる第二の冷戦について話している」「今後数年間で、新しい友人、新しい関係、新しい同盟を結ぶ必要がある」と呼び掛けた。

ブリュースター氏はさらに、日本、インド、オーストラリア、米国など志を同じくする太平洋地域の民主国家にとって、沿岸警備隊は軍艦ほど政治的意味合いが大きくないため、沿岸警備隊の行動範囲と責任を調整すべきだと提案した。

米国の沿岸警備隊はインド太平洋地域により深く関与しており、2019年、同地域にカッター(警備艦)バーソルフ2隻を配備した。3月には、米沿岸警備隊としては史上初めて台湾海峡を航海した。

ピッツ少将は、「4カ国のシー・パワーの組み合わせは、地域全体の安定と繁栄の重要な基盤であり続ける」と強調した。「台頭する修正主義の脅威に直面しても、同盟国とパートナーの既存のネットワークを管理し、その安定性を強化しながら、ルールに基づく秩序を維持することに引き続き焦点を合わせる」と述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事(外部サイト)