収容キャンプを連想 人権団体、無印良品やユニクロの「新疆綿」PRに批判

収容キャンプを連想 人権団体、無印良品やユニクロの「新疆綿」PRに批判

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ中国担当は、強制収容所のある新疆で生産された「新疆綿」をPRする、無印良品やユニクロの広告に疑問符を打つ(Getty Images)

新疆ウイグル自治区の「再教育」キャンプで拘束されているウイグル人の強制労働によって作られた綿製品は、日本や米国の大手アパレル企業のサプライチェーンを通じて、世界各国に流通している可能性がある。

米議会で中国の人権状況を監視する「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会」(CECC)は5日、米国税関・国境警備局(CBP)に書簡を送り、拘束されているウイグル族の強制労働により製造された衣料品の輸入を禁じるよう要請した。

米国税関・国境警備局(CBP)は10月に、中国の「和田泰達」(Hetian Taida Apparel)によって製造された一部の衣服が、受刑者と強制労働に関連するとして輸入停止の措置を取っている。2019年初めにも、同社は、新疆の強制収容所を住所とする建物から、米大学キャンパスグッズや、スポーツ用品大手に輸出する衣服を出荷していたと米税関から指摘された。

AP通信によると、和田泰達の工場は、鉄のフェンスに囲まれ、数百台の監視カメラが設置されている。工場周辺では数十人の武装した警備員と番犬が監視に当たる。工場内に宿舎、倉庫、作業室と学校など30棟ほどの施設があり、大勢の男女が中で縫製作業に従事している。

11月3日、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国担当ソフィー・リチャードソン氏はSNSで、日本のブランド「無印良品」と「ユニクロ」は、新疆綿を使用したアパレル製品を宣伝しているが、「多くの人々に強制労働や宗教迫害をほうふつとさせる」とし、不適切だと批判した。

中国は主要な綿花の生産国であり、世界の生産量の約4分の1を占める。推定によると中国産の綿は新疆ウイグル自治区で74〜84%生産されている。地球上で海から最も遠く、晴れの多い乾燥地帯である新疆は、綿花の生産地として知られる。繊維が長く丈夫で白く光沢のある新疆綿は、米スーピマ綿、エジプトのギザ綿に並ぶ「世界三大綿」のひとつに数えられる。綿花の摘み取りは手作業で行われ、長らく、児童労働の問題も指摘されてきた。

無印良品(MUJI)は5月、「新疆綿シリーズ」を発表し、セールスポイントとして新疆綿を使用した製品を販売している。豪ABCの取材に対して、無印良品の広報担当は「最近の問い合わせを受けて、新疆地域(のサプライチェーン)に関する状況調査を行っている」とした。

リチャードソン氏はSNSで、企業は製造過程に責任を持ち、人権侵害に加担していないことを実証する報告を出すべきだと述べた。無印良品は2016年、「現代の奴隷制と人身売買関与のリスクが、自社の事業内およびサプライチェーンに存在することを認識している」と公表し、強制労働の防止に努めているとしている。

ユニクロは、豪州、米国と中国を含む各国が生産した綿を使用しており、「新疆地区の企業とパートナーシップを結んでいない」と説明した。

世界的にアパレルを流通させるメーカーが新疆綿および新疆からの衣類に関して批判を受けたのは、今回が初めてではない。5月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、国際的なアパレルブランドが、自主的な意思で職務に就いていない労働者により作られた製品を使用している疑いがあると報じた。報道は、アディダス(Adidas)、H&M、ギャップ(Gap)、イケア(IKEA)を名指しした。

10月中旬、オーストラリアのブランド「ターゲット(Target)」と「コットンオン(Cotton On)」は、豪メディアからWSJ 同様の人権問題の指摘を受けて、新疆綿の取引を停止すると発表した。

豪ABCによると、綿製品は単一のメーカーで製造されることは少なく、新疆綿を採集、中国の他の地域や他国の工場で紡績、縫製されるなど複数のプロセスを経る。このため、サプライチェーンの追跡は難しいという。

米拠点の「ウイグル人権プロジェクト」は、新疆綿のサプライチェーンには、複数の段階で新疆の収容所による労働があった可能性が高く、新疆を「綿の強制収容所」と表現している。

米シンクタンクの戦略国際問題研究センター(CSIS)の報告は、綿のサプライチェーンと収容所労働の関連について、懸念を表明している。CSISは「新疆は、中国産の綿の大部分を提供している。業界の専門家は、綿がその後、中国で完成品および半製品に変換されると推定している。綿を含む中国の製品は疑わしい」と書いている。

2019年9月、リスク分析会社のベリスク・マプレクロフト(Verisk Maplecroft)氏は、今後、中国衣料品と綿製品のニュースが多く出現するにつれて、「新疆における強制労働および児童労働をめぐる論争に巻き込まれる企業が、今後も増える可能性が高まっている」と分析している。

2018年11月、ロイターと衛星情報を分析する調査組織アースライズ(EarthRise)は共同調査で、中国共産党が主張する「再教育施設」「職業訓練センター」は、地域に少なくとも39カ所あると指摘した。同年5月、米国防総省アジア太平洋地域の安全保障政策を総括するランドール・シュライバー次官補は、新疆で恣意的に拘束され、収容された人々は100万人から300万人との推測を述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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