中国一帯一路、参加国指導者の出身地を優遇 米シンクタンクが分析

中国一帯一路、参加国指導者の出身地を優遇 米シンクタンクが分析

上海で開かれた一帯一路フォーラムの一コマ、2018年撮影(Thomas Peter - Pool/Getty Images)

中国共産党の広域経済圏構想「一帯一路」が2013年に発表されてから7年目になる。研究者らは、参加国の指導者の出身地が融資を受けやすいと指摘した。

世界銀行と米ワシントンにあるシンクタンク「グローバル開発センター」(CGD)が共催する一帯一路セミナーが1月24日、米ワシントンで開かれた。

米国のウィリアム・アンド・メアリー(William & Mary)大学の対外援助調査機関「エイドデータ(Aid Data)調査研究室」で代表を務めるブラッド・パークス(Brad Parks)氏が登壇して、一帯一路に関する1万件以上のデータの研究結果を報告した。

「中国政府は、金融投資プロジェクトの選択と承認について、特に(対象国の)政治操作と影響力を図っている」と述べた。

研究報告では、国際的な開発計画のうち、7519件の世界銀行と2969件の中国関連のプロジェクトを比較した。そのなかで、腐敗に繋がる中国融資の特徴を指摘した。例えば、借り入れを受けた国の政治指導者の出身地の自治体は、他の自治体よりも、2.64倍の融資を中国から受け取っていた。

さらに、この中国融資は現地指導者の選挙にも影響する。パークス氏によれば、中国共産党体制にとって都合のよい政治家あるいは政権を誕生させるために、一帯一路のプロジェクトの融資を「政治道具」にしている。こうした現地の政治的な影響は、世界銀行のプロジェクトでは関係性が見られなかった。

中国商務省のデータによると、中国企業2019年1〜11月までに、総額約1280億ドルの契約を締結した。これは、2018年同期で41%増加した。2019年10月末までに、中国は137の先進国と開発途上国、30の国際機関と約200の「一帯一路」協力文書に署名した。

中国共産党主導の一帯一路のプロジェクトが世界に拡大するにつれて、欧米諸国からの懸念も増している。

欧州連合(EU)商工会議所の代表ジョルグ・ウトック(Joerg Wuttke)氏は1月の報告書で、中国国有企業が一帯一路関連の建設事業を請け負い、占有しており、ほとんど現地の企業は恩恵を受けていないとした。

ウトック氏は「一帯一路の建設契約の件数は、他の多国間開発戦略と比較すると、中国国有企業の契約の割合が多すぎる」とし、中国の補助金や低コストの資金調達が海外の契約獲得を支えているためだと指摘した。

ウトック氏はまた、西側諸国は一帯一路の融資契約の内容の不透明さや、「債務トラップ外交」について、繰り返し警告を発していると付け加えた。

1月中旬、米ワシントン拠点の国際金融協会(IIF)は世界の債務に関する報告を発表した。それによると、一帯一路プロジェクトの85%が、気候変動に影響をもたらすとされる温室効果ガスの排出量が高く、プロジェクトには少なくとも63基の石炭火力発電所の建設が含まれている。

IIFの報告は、一帯一路のプロジェクトは、世界銀行など国際機関の融資よりかなり高い金利の契約が多いと指摘した。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事(外部サイト)