「蔡英文総統を祝福するな」中国大使館から電話 チェコ上院議長明かす

「蔡英文総統を祝福するな」中国大使館から電話 チェコ上院議長明かす

チェコ上院議長ミロシュ・ビストルジル(Milos Vystrcil)氏は19日、記者会見で、蔡英文総統の2期目始動に祝福を述べた(Senat.cz)

「あれ以来、少なくとも2回、中国から大使館を通じてチェコ共和国または上院に対して、攻撃的な行動が続いている」チェコ上院議長ミロシュ・ビストルジル(Milos Vystrcil)氏は台湾問題を巡って中国共産党政府による圧力が続いていると明かした。

ビストルジル上院議長が「あれ以来」と形容したのは、前上院議長ヤロスラフ・クベラ(Jaroslav Kubera)氏が2月、台湾訪問の予定日前に急逝したことだ。チェコ当局は、中国大使館および親中派のゼマン大統領政権の圧力との関連を調べている。

ビストルジル上院議長は5月19日の記者会見で、2度の圧力について語った。1つは、台湾の蔡英文総統の2期目が始動したことについて、中国大使館が祝電を送らないよう電話で伝えてきたこと。もうひとつは、台湾からマスクの寄付が送られたことに感謝の意を示し、台湾の旗である中華民国の国旗を披露したことについて、中国大使館が苦情を申し立ててきたことだという。

チェコは結果的に、蔡総統2期目始動についての祝電送付を見送っている。しかしビストルジル議長は会見で、台湾には民主的に選出された総統がいて、民主的な国であることを歓迎したいと述べた。

ビストルジル議長は、クベラ前議長の急死と中国大使館による脅迫的な手紙の関係について、ミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)大統領と話し合ったという。しかし、親中派のゼマン大統領側は「手紙はねつ造されたもの」と主張し、話は平行線をたどった。

クベラ氏の後任であるビストルジル上院議長には台湾訪問が期待されている。会見では、訪台計画について具体的に言及しなかった。しかし「国の基本的な価値は、民主と自由、独立性だ」「もし中国がチェコに何をすべきか、何をすべきでないかを采配したいと考えているのであれば、私の台湾訪問はますます現実的なものになる」と語った。加えて「民主的に選出された台湾の総統就任を祝福する」と述べた。

2月に台湾を訪問する予定だった前上院議長クベラ氏は、訪問前に急死した。ベラ夫人は、チェコ・テレビのインタビューで、クベラ氏の部屋には中国大使館とゼマン大統領事務所からの手紙が残っていた。手紙は、もしクベラ氏が訪台すれば、中国でビジネス展開するチェコ企業に何らかの制裁を科すことを示唆していたと語った。ベラ夫人は、一連の手紙が与えた圧力が、夫の死の一因と主張している。

上院議員の多くは、チェコ議員が訪台するべきだと考えている。5月23日、チェコ上院議会は、同国で大統領の高官である上院議員を含む一団の台湾訪問を支持する決議案を圧倒的な賛成多数で可決した。

決議案は上院議員52人のうち50人が賛成した。 上院議員で元大統領候補のマレク・ヒルシャー氏は、チェコは独立した自由で民主主義的な国であり、「外国、特に権威主義的な国から恐喝を受けるべきではない」と述べた。

チェコ上院はその後、この決議案に関する声明を発表した。中国大使館から届いた「脅迫状」について、その手法と内容は「チェコへの内政干渉」にあたるとして、手紙の要求を拒否するよう強調した。

声明はまた、中国大使館からの書簡のみならずゼマン大統領事務所もまた、亡くなったクベラ前議長に対して同様の手紙を送付したため「政府と協調した外交政策をとっていない」として大統領政権を批判した。

声明はさらに、国会議員団の台湾訪問は、チェコの長期的な外交政策上の利益に適うもので、上院議長がビジネス代表団を率いると結論づけている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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