香港抗議現場付近で学生転落死 若者ら反発強める

学生死亡 抗議活動激化も/香

 【香港=藤本欣也】香港警察への抗議活動が行われていた新界地区で建物から転落した香港科技大の男子学生(22)が8日、死亡した。反政府デモを続ける若者らは「警察の暴力による死者が初めて確認された」と反発を強めており、抗議活動がさらに激化する可能性がある。

 同日夜には香港各地で学生の追悼会が催された。

 学生は4日未明、新界地区の住宅街にある立体駐車場の3階から2階に転落。頭を強く打ち、8日、搬送先の病院で死亡した。

 学生がどのような状況で転落したかは不明。ただ、警官隊は当時、市民らを排除するため立体駐車場に向けて催涙弾を撃っており、「学生は催涙弾から逃れようとして転落したのでは」との見方が浮上した。

 警察は「催涙弾を撃った場所は現場から120メートル離れている」と釈明したが、警察が救急活動を妨げたとの証言もあり、「学生は警察の暴力によって死亡した」と信じる若者が多い。

 背景には、警察の過剰な制圧行為への反発があるほか、最近、若者たちの不審死が社会問題化している事情がある。

 9月下旬、新界地区の海で水死体で発見された女子専門学校生(15)のケースもその1つ。

 香港メディアによると、女性は全裸だったが、警察当局は「遺体に外傷はなく事件性はない」と判断、自殺と見てすぐに火葬された。しかし友人らは「彼女は泳ぐのが得意だった」として自殺を疑問視した。

 政府寄りのテレビ局を通じて、母親が自殺を認めた映像が流れたが、友人らは「別人だ」と指摘。女子学生は反政府デモに参加していたことから、「警官に暴行されて死亡し、警察はそれを隠蔽している」とみる若者が多く、今でも抗議活動が続いている。

 7日、抗議活動に参加した女性(20)は「全裸で見つかったのに事件性がないとは…。警察は信用できない」と話していた。

 香港のネットメディアによると、デモが本格化した6月以降、入水自殺や飛び降り自殺として処理される若者の遺体が増えているという。真偽は不明だが、それを信じる市民は多い。

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