「観客動員五輪」に執着するあまり、政治家生命の危機に陥った菅総理=韓国報道

「観客動員五輪」に執着するあまり、政治家生命の危機に陥った菅総理=韓国報道

“観客動員五輪”に執着するあまり、政治家生命の危機に陥った菅総理=韓国報道(画像提供:wowkorea)

「このままでは緊急事態宣言を発令することになるかもしれない」

今月7日、東京だけで新型コロナに新規感染した人が920人に達するという報告を受け、自民党内部ではこんなため息が出た。1時間後、菅首相の主宰で閣議が始まった。緊迫した雰囲気の中で議論が続き、日本政府は東京五輪を約2週間後に控えた8日、4度目の緊急事態宣言の発令を決定した。緊急事態宣言は12日から来月22日までの6週間、発令される。東京五輪の全期間が含まれる。

これまで、菅首相の側近は菅首相に緊急事態宣言の必要性を口にすることができなかったと日本の週刊誌『現代ビジネス』は伝えた。それも外部の人物である新型コロナ対策分科会の尾身茂会長だけが最近、御用知識人の役割を捨てて「五輪を中止せよ」と直言したが、それだけだった。自民党内部ではすでに菅首相の気にさわるようなことをしてはならないというムードが蔓延していたという。

◇菅首相には計画があった

菅首相には計画があった。先月まで緊急事態宣言が発令されていた東京に、一段階低い重点措置を適用しようというものだ。観客を制限することがあっても、観客を動員して五輪を開いき、お祭りムードを作ろうという意図だった。競技が盛んに行われている7月末から8月初頭にかけてはワクチン接種率も上がるはずなので、感染を統制するレベルで五輪を成功裏に開催できると判断したからだ。これを土台に今年下半期に予定されている総選挙で勝利するという計算もしていた。

目標に目がくらんだからだろうか。菅首相は新型コロナの感染状況を懸念する声に耳を塞いだ。ある政府関係者は『現代ビジネス』に「菅首相に直接進言する人は誰もいない」とし、「首相は補佐官とだけ話すだけで、自分の意に反する意見を聞けば激怒するため、誰も意見を正直に言えなくなった」と打ち明けた。

韓国の疾病管理庁長にあたる厚生労働大臣の訴えも菅首相には届かなかった。新型コロナ感染拡大危機という報告に怒った菅首相が報告書を机の上に投げ捨てるほどだったという。この状況を見守ったある関係者は「田村憲久厚生労働大臣は精神的にかなり窮地に追い込まれ、心身が疲れた状態」とほのめかした。

菅首相の“不通”リーダーシップに対する暴露はこれだけではない。首相官邸のある職員は「菅首相は一部の外部専門家の話は聞いてはいるが、自分の“家族”は全く信じられない。部下は無能か裏切り者しかいないと思っている」とし、「周囲ではそんな首相の態度にあきれて何も言えなくなる。すべてが悪循環となっている」と述べた。

◇五輪は開催しても赤字、開催しなくても赤字

そうしている間に東京の感染状況は予想より悪化した。すでに先週から東京は日本の感染状況分類の中で最も高い「4段階」に入った。緊急事態宣言が避けられなくなったのだ。

無観客の五輪はチケット代だけで総額900億円に達するという計算になる。昨年末、主催側は五輪のチケット収入として900億円を見込んでいたが、新型コロナの感染危険で国内観衆を1人も動員することができない場合、五輪収益の一軸を担うチケット収入が消えることになる。

しかし、これは予想される損失の一部に過ぎない。すでに日本国民の間では「観客動員か無観客が重要なのではない」とし、中止すべきだという声が多い。東京五輪を開催すること自体が赤字を生むという懸念だ。当初、昨年開かれる予定だった五輪を1年延期したことで大会費用は145億ドルから250億ドルに増加している状況だ。

五輪を開催しても問題、開催しなくても問題だが、開催を中止した方が損失を減らすことができるという助言も出ている。米国のパシフィック大学政治学科のジュールズ・ボイコフ教授は「五輪は日本に赤字をもたらす」とし、「中止すれば入場料や放映権などの収入を得ることはできないが、開催しても新型コロナの感染が拡大すれば対策費用がかさむので損失は避けられない」と指摘した。

野村総合研究所もまた、今年5月の報告書で「五輪を中断する場合、損失額が1兆8000億円に達する」としながらも、「緊急事態宣言の1回目の発令による損失は6兆3000億円、2回目の発令時の損失は6兆3000億円」と主張した。無理に緊急事態宣言を発令してまで五輪を開催するよりは、中止した方が安く済むという計算だ。

◇選挙で敗北した自民党、原因は矛盾のせい?

このような懸念に耳を傾け、“観客動員開催”に固執してきた菅政権は最近、見るにも耐えない成績表を受け取った。今月4日に行われた日本総選挙の前しょう戦としての性格を帯びた東京都議会選挙で、自民党が連立政党の公明党と合わせても過半数を確保できなかったためだ。

敗北の原因として、内部では未熟な新型コロナへの取り組みと民心に逆らう東京五輪強行を挙げる。自民党内部の関係者は自民党が苦戦した理由について「もう4回目の緊急事態宣言に世の中はすでにあきれている」とし、「何よりも緊急事態宣言を発令し、東京五輪を予定通り開催するという矛盾が(国民の)自粛ムードを害した」と説明した。

“意思不通”のリーダーシップは1年を越えることが出来ない見通しだ。自民党内では菅首相交代論が出ている。自民党の実力者である菅首相を首相にするのに最大の功臣であった“キングメーカー”の二階俊博幹事長は早くも“ポスト菅”を物色していると言われている。二階派の関係者は「首相が選挙で勝てるほど人気があることが重要だが、支持率が暴落した菅首相は簡単に引き下がる可能性が高い」と見通した。

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