朝鮮半島の平和時計「力強く」ではなく「正確に」回らなければ=韓国メディアのコラム

朝鮮半島の平和時計「力強く」ではなく「正確に」回らなければ=韓国メディアのコラム

文在寅 韓国大統領による「朝鮮半島平和プロセス」再稼働のための歩みが目まぐるしい(画像提供:wowkorea)

ヨーロッパ巡訪中のムン・ジェイン(文在寅)韓国大統領による「朝鮮半島平和プロセス」再稼働のための歩みが目まぐるしい。G20サミットが開かれたイタリア・ローマを訪れた文大統領の視線は真っ直ぐ「朝鮮半島の平和」に向けられていた。

文大統領はジョー・バイデン米大統領とフランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相などと会い、韓国の対北政策と朝鮮半島政策に対する支持を訴えた。先月29日ローマ教皇庁での教皇フランシスコとの面談はその最たるものであった。その場で文大統領は、2018年につづき改めて教皇の訪朝を公式に提案し、これに教皇は「朝鮮半島の統一のために祈っている」とし「北朝鮮から招待状が来れば喜んで行く」と答えた。

世界12億のカトリック信者の精神的支柱である教皇による訪朝が実現すれば、2019年2月のハノイ米朝首脳会談の決裂以降、膠着状態から抜け出せないでいる朝鮮半島非核化交渉と平和プロセス再稼働において大きな動力となることは明確である。韓国政府の内外では「文大統領とキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が年内に朝鮮半島の某所で対面による南北首脳会談と、すぐさま史上初のオンライン首脳会談を行ない、来年2月には中国で開かれる北京冬季オリンピックをきっかけとしてバイデン大統領と習近平中国国家主席まで一堂に会して、終戦宣言に署名する」というシナリオが公然と出回っている。

チョン・ウィヨン(鄭義溶)外相とイ・イニョン(李仁栄)統一相も、朝鮮半島平和プロセスの首脳外交をサポートした。チョン外相はG20サミット期間に、アントニー・ブリンケン米国務長官、中国の王毅 国務委員兼外相とそれぞれ米韓・中韓外相会談を開き、終戦宣言をはじめとした朝鮮半島平和プロセス再稼働案について協議した。イ統一相として異例にも文大統領の巡訪に同行したイ統一相も、WFP(世界食糧計画)とWHO(世界保健機関)、IFRC(国際赤十字連盟)、教皇庁の関係者たちとの面談を行ない、終戦宣言に対する支持を求め対北人道主義の協力案を論議している。

残りの任期が6か月となる中、朝鮮半島平和プロセスを推進していこうとする文大統領は、今回ローマのサンティニャツィオ教会を訪れ、DMZ(非武装地帯)の廃鉄条網を溶かして作られた十字架の作品をみて「聖書には戦争を平和に変えるというその象徴として『剣を打ちかえて鋤(すき)とする』という聖句がある」とし「きょうのこの十字架はその意味に加え、これからは故郷に戻って別れていた家族たちと会いたいという数多くの南北の離散家族たちの願いと、これからは戦争を永遠に終え南北間が互いに平和に過ごしたいという我々大韓民国の国民たちの切実な願いと祈りが込められている」と語るなど、切迫な思いさえ感じさせていた。

ただ短期的には「終戦宣言」、長期的には「朝鮮半島平和プロセス」の旅程を進む歩みにおいて、少なからず懸念される点もみられる。教皇庁は教皇の訪朝に関する発言を公式発表しておらず、米国は米韓外相会談の結果として終戦宣言に対する言及はなく、朝鮮半島の非核化に重きを置くなど、青瓦台(韓国大統領府)と韓国外交部(外務省)の発表とは微妙な温度差があることは、釈然としない後味を感じさせる。

文大統領はイタリアでの日程を終え「朝鮮半島の平和の時計が再び力強く回っていくことを信じる」と語った。誰も否定することができない話だ。しかし時計は「力強く」回るのではなく「正確に」回っていく時、初めて存在の意味をもつ。文大統領の座右の銘である「難しい時こそ原則に戻れ」を改めて噛みしめてみる。

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