「中国」について語れない韓国大統領府の「ジレンマ」
2021年12月10日 12時46分WoW!Korea

韓国大統領府(青瓦台)(画像提供:wowkorea)
現在、激化する米中対立の荒波が韓国へと押し寄せている。
米国は北京冬季オリンピックの「外交的ボイコット」につづき、中国けん制の性格が強い「民主主義サミット」を招集した。一方中国は米国のこのような動きに対して反撃を予告したことで、「韓国による米国同調」を事前に遮断しようとしている。
安保同盟国「米国」と太い経済のパイプでつながれている「中国」という “G2”との関係を、同時に発展させなければならない韓国のジレンマは深まるばかりだ。
ジョー・バイデン米大統領は9日、110余国の政府と市民社会の代表などを招請し、オンラインにより開催した民主主義サミットで「外部の独裁者たちが全世界に影響力を拡大させることで、彼らは成長し抑圧的政策を正当化しようとしている」と、中国を狙って発言した。
今回のサミットの最初のセッションでムン・ジェイン(文在寅)大統領は「人類がポピュリズムと極端主義・不平等と両極化・嫌悪と憎悪などからの挑戦に直面している」とし「民主主義を守り抜く方案について真剣な論議が必要だ」と語った。ただ、中国に関して直接的言及はもちろん、中国を指すと解釈される余地のある間接的表現まで控えるなど、慎重な立場をとった。
バイデン大統領の開会の辞や、中国の攻撃性への懸念を示し自由と民主主義・法治毀損(きそん)・人権弾圧に対して集団的に協力することを求めた岸田文雄首相とは「異なる姿だった」ということだ。
北京五輪の「外交的ボイコット」についても、韓国は慎重な立場を維持している。青瓦台(韓国大統領府)の関係者は9日「(政府代表団の北京五輪派遣を)決定するにはまだ早い」とし、外交部(外務省)のチェ・ジョンムン(崔鍾文)第2次官は同日ラジオ番組とのインタビューで、米・英・豪・カナダ・ニュージーランドの外交的ボイコットについて「それでは選手たちが寂しいだろう」として否定的な認識を示した。
中国外務省は、韓国の北京五輪成功的開催支持の立場に「両国の友好協力関係と、オリンピックという一つの家族のような様子をみせてくれた」として、韓国の「外交的ボイコット不参加」を既成事実化しようとした。
問題は、米中対立のあおりが文政権の推進している「終戦宣言」にまで影響を及ぼす可能性は排除できないという点だ。韓国は、米国と終戦宣言の文案を調整し、中国から「支持と建設的役割」という約束を引き出した状態である。しかし終戦宣言の核心関与国である米中間の摩擦が激しくなるほど、終戦宣言実現へと進む道はこじれるしかない。
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