尹錫悦政府の “対北出発”は「挑発対応」と「防疫支援」の二重課題=韓国

尹錫悦政府の “対北出発”は「挑発対応」と「防疫支援」の二重課題=韓国

発足まもない韓国の尹錫悦政府による対北政策が、早くも試されることになった(画像提供:wowkorea)

発足まもない韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)政府による対北政策が、早くも試されることになった。北朝鮮は新型コロナウイルス感染症の拡散にもかかわらず、短距離弾道ミサイルを奇襲発射し、新政府をねらった初の武力示威を実施した。尹政府は「防疫協力および人道的支援をきっかけとした南北関係改善」と「挑発への対応」という課題を、同時に抱えるかたちとなった。

いったん、北朝鮮国内における新型コロナウイルス感染症の拡散は尋常ではない状況だ。北朝鮮の国営“朝鮮中央通信”はきょう(13日)「キム・ジョンウン(金正恩)総書記は前日、国家非常防疫司令部を訪れ、防疫の実態を点検し状況を把握した」とし「12日の一日に全国で1万8000余人の発熱者が発生し、現在まで18万7800余人が隔離および治療中で、6人が死亡した」と明らかにした。また「4月末から、熱病が爆発的に感染拡大している」と報じた。

一部では「北朝鮮の “最重大非常事態”により、保健協力を皮切りに南北・米朝間の対話再開が成されるのではないか」という期待の混じった見方も出ている。クォン・ヨンセ(権寧世)統一相候補者は、国会の人事聴聞会で「支援できる時、直ちに支援するよう最大限準備する」として、ワクチンをはじめとした解熱剤・鎮痛剤など対北支援の意思を示唆した。

問題は、北朝鮮が新型コロナ感染の事実を初めて公開した日、短距離弾道ミサイルを3発を発射し武力示威を続けたという点だ。北朝鮮はプンゲリ(豊渓里)核実験場で、早ければ今月中に7次の核実験を敢行する態勢である。韓国大統領室の国家安保室は、北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射直後に安保状況点検会議を開き、「挑発行為」と規定し強く糾弾した。特に「新型コロナが発生した状況にもかかわらず、住民の生命と安全を無視し弾道ミサイルの発射を続ける北朝鮮の二重的形態を慨嘆する」と批判した。

韓国の民間研究所であるセジョン(世宗)研究所のチョン・ソンジャン北朝鮮研究センター長は「北朝鮮が核実験と偵察衛星・新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の試験発射などを準備していて、韓国は超大型発射砲まで重大挑発とみなしていることから、南北協力は決して容易ではないだろう」と推測した。ただ「北朝鮮は今すぐ外部からの支援を受け入れることはないだろうが、韓国はワクチンと治療薬・検診キットなどを米国と日本・中国・EU(ヨーロッパ連合)などと共同提供する方案を検討・推進する必要がある」と提案した。

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