ドローン作戦司令部の創設を計画…任務・兵力・予算は「まだ未定」=韓国報道

2022年末の北朝鮮による無人機の侵入事件以来、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領の直接指示のもとドローン作戦司令部の創設を進める中で、国防部が26日に部隊構成のためのドローン作戦司令部令案を立法予告した。しかし、実際の部隊の任務や戦力、構成などについてはまだ明確にされていないと批判されている。司令部令は9月1日に施行される予定で、ドローン作戦司令部もこの時に創設されるものと予想されている。

国防部が公開した司令部令によると、この部隊はドローンを利用して戦略的・作戦的に監視・偵察を行い、攻撃、心理戦、電子戦などの任務とドローンを使用しての戦闘力を開発する業務を遂行する。しかし、戦略的任務は北朝鮮の主要施設を監視・偵察し、有事の際には攻撃を行い指導者の暗殺作戦が遂行できるほどの実力のあるドローンを導入しなければならない。「MQ-9リッパー」や「MQ-1プレデター」、「RQ-4グローバルホーク」など数千億ウォン(数百億円)に達する最先端兵器への投資が必要になる。

しかし、このような兵器を短期間で導入したり、または運用したりすることは難しいのが現在の状況だ。作戦レベルも現在、陸軍前方軍団防空団や師団・軍団クラスの無人機運用任務などと重複する。ドローン作戦司令部は、これまですでに導入している機材ではなく、新しい兵器を導入する予定だ。

現在のところ、ただちに行うことができる任務は、北朝鮮製の無人機の複製品を作って前方および北朝鮮の領空内に投入する心理戦程度にとどまる。2014年と2017年の北朝鮮による無人機侵入当時にも実際に行われた「コウモリ作戦」だ。複製品の製作は、この無人機が北朝鮮によって撃墜・回収されても、技術の流出や責任の所在を追及できないようにするためのものだ。このため、外装材と部品はいずれも中国製を使用して製作し、実際に北朝鮮の無人機と区別が難しくするという構想だ。

このような状況にもかかわらず、ドローン作戦司令部には3人の将軍が配置される予定だ。少将級指揮官に准将2人が参謀長と作戦処長などを務める方式を取る。同様の規模の空軍ミサイル防衛司令部の場合、少将級司令官が9000人余りの兵力と全国に配備されている短距離地対空誘導兵器、天弓砲台、パトリオット砲台、弾道弾監視隊などを指揮しているのと比較される。

ドローン作戦司令部に過度に多くの将軍を置いていると指摘される理由はここにある。今回の立法予告では、司令部参謀部署の設置と事務部署に関することは合同参謀議長が、部隊の設置と任務・組織および軍務員の定員などは国防部長官が決めることになっている。

ある予備役の将軍は「司令部としての組織がなく、政策や作戦遂行を誤ったわけではないのに、とんでもない診断と解決策を出した」と述べ、「ドローン司令部の創設は軍の作戦指揮体系を混乱させ、どのように戦闘に活用するのか懸念される」とみている。尹大統領は2022年12月の北朝鮮による無人機の侵入以降、合同ドローン部隊の早期創設とステルス無人機および小型ドローンの年内生産などを指示している。

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