韓国政府、違法集会に強硬対応指示…警察の取り締まり急変

韓国政府が違法集会に対して強硬的な対応を指示したことで、警察の集会に対する取り締まりが積極的になった。守備に一貫し、一般市民に被害を与えない程度の対応に止まっていた警察は、積極的に集会参加者を逮捕するなど物理的な対応に出ている。6年ぶりに違法集会の検挙訓練も再開した中、31日に開かれる労組の大規模な集会で、警察と労組の衝突が憂慮されている。

韓国メディア「イーデイリー」にると、ソウルでは市民団体や労組などの大規模集会が周期的に開かれていたが、最近になって警察の対応が変わってきているという。25日、全国民主労働組合総連盟(民主労総)傘下の金属労組は徹夜での座り込みストを行った。警察は組合員に対して、一人ずつ対応し、集会場所から約300メートル離れた場所に移動させるなど強制的な解散措置をとった。本格的な行事が始まる前から警察が取り締まり、激しく抵抗した参加者3人は現場で逮捕した。違法派遣問題の早期判決を求める趣旨で開かれたこの夜間文化祭は、2021年からたびたび行われていた集会だった。

警察の対応が変わったのは、民主労総傘下の建設労組が行った2日間の闘争に対して、あやふやな対応が問題になったためだ。ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が「警察と関係公務員は違法行為に対して、厳正に法を執行するよう求める」と指示した。

警察は2017年、文政権以降中断されていた「違法集会解散および検挙訓練」を6年ぶりに再開し、徹底した準備にとりかかっている。警察庁は違法集会・デモに対する厳正な取り締まりのために、25日から6月12日まで「警察庁および各市・道庁警察部隊訓練」を実施すると明らかにした。

警察の強硬的な取り締まりに労組は強く反発し、強力な闘争を予告している。来月、最高裁を再び訪問して文化祭や座り込みを行うと発表している。

イーデイリーは26日付の社説で、このような集会について「問題は表現の自由が過度に強調され、環境権や幸福追求権など国民の他の基本権を不合理に侵害しているという点だ」と指摘した。

また、野党「共に民主党」に対して、「違法集会を防ぐための制度改善には反対し、むしろ国を違法ストライキ共和国に追い込むような労組に有利な法案を可決しようとする最近の姿を見れば、民主党は違法を擁護する政党という批判を受けても、何も言えないだろう」と批判した。

逆に京郷新聞は26日付の社説で、「当時の集会は非暴力的なものだった。このような集会まで阻止することは、国政混乱と民生危機、民主主義の退行に抗議する市民の口を塞ごうという意図と映りかねない。政府は集会を制限しようとするいかなる試みも、直ちに止めるべきだ」と韓国政府を批判した。

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?