韓国・春川地裁、北朝鮮拉致漁師3人再審無罪判決…過酷な拷問でスパイの濡れ衣

北朝鮮に拉致された後、スパイ容疑で投獄された韓国人漁師3人が23日、韓国・春川地方裁判所で無罪が確定した。50年前の事件で冤罪が晴らされることとなった。同裁判所では先月も32人が無罪となり、拉致被害者への名誉回復が進んでいる。

韓国・春川地方裁判所は23日、国家保安法違反などの容疑で処罰された李ソングク(69)氏に無罪を言い渡した。

李氏は17歳だった1971年10月25日、ソッチョ(束草)でミョンソン3号に乗船して北朝鮮に拉致された。11か月ぶりに韓国に戻ったが、殴打と拷問を受けて虚偽の自白を強要され、スパイ容疑がかけられた。結局、1972年11月24日、国家保安法違反などの疑いで懲役1年、執行猶予2年を宣告された。

1981年4月にも忠清南道のソサン(瑞山)で警察に連行され、86日間拘禁状態で拷問を受けた。この年12月に国家保安法違反容疑で懲役10年を宣告され、9年間服役した後、1990年三一節(独立運動記念日)の特別赦免で仮釈放となった。

当時、李氏と共に起訴された母方の祖父は懲役7年の実刑を服役中に、健康悪化により68歳で命を落としたという。

裁判所は、李氏の事件に続いて行われた別の拉致帰還漁師2人の裁判でも、無罪判決を下した。

一方、江原道内では先月にも、春川地方裁判所で国家保安法または反共法違反の疑いで処罰された拉致帰還漁師32人が再審で全員無罪判決を受けるなど、再審による無罪判決が続いている。

春川地検は拉致帰還漁師93人の職権再審を進めている。

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