<W解説>北朝鮮の金総書記が折り畳み式スマホ愛用?中国経由で流入濃厚も、制裁決議で禁止のはずだが…

今月12日に、北朝鮮で固体燃料式の新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星18型」の発射実験が行われたとして、北朝鮮の朝鮮中央通信がこれを報じた記事で、掲載された写真の中にキム・ジョンウン(金正恩)総書記のものとみられる折り畳み式スマートフォンが写り込んでいた。韓国の聯合ニュースなど、韓国メディアが報じた。折り畳み式スマホは韓国のサムスン電子の世界シェアが7割超で、他には中国メーカーが製造している。外部から持ち込まれたとみられるが、北朝鮮は国連安全保障理事会の決議により、電子機器の輸出入が禁じられている。

北朝鮮メディアは13日、金総書記の立ち会いの下、12日に「火星18型」の発射実験を行ったと報じた。ミサイルの最高高度は6648.4キロ、飛行距離は1001.2キロ、飛行時間は4491秒(74分51)秒で、朝鮮半島東側の日本海の目標水域に正確に着弾したという。最高高度や飛行距離、飛行時間はいずれも「新記録」だとしている。「火星18型」の発射は4月13日に続き2回目。相次ぐ発射は、北朝鮮が米本土に届く可能性のあるICBMを安定的に発射できる能力を誇示する狙いがあるとみられる。とりわけ固体燃料型は、発射前の燃料注入作業が不要で、準備にかかる時間が短い。兆候を察知されにくいため、「火星18型」が配備されれば、米本土への攻撃能力が向上する。北朝鮮では、朝鮮戦争休戦から70年の節目となる今月27日に合わせて大規模な「戦勝」祝賀行事が行われる見通しで、今回の発射実験も「宿敵」米国との対決姿勢を鮮明にし、国威発揚を図る狙いもあったものとみられている。

リトアニアの首都、ビリニュスで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議にNATOのアジア太平洋パートナー(AP4)として招かれた日本、韓国、豪州、ニュージーランドの4か国は12日(現地時間)、首脳会談を開き、北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難した。4か国は共同声明を採択し「ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に明白に違反し、朝鮮半島はもちろん、インド太平洋地域および国際社会の平和と安定に対する重大な挑戦だ」と指摘した。

一方、北朝鮮メディアによると、金総書記はリ・ソルジュ(李雪主)夫人とともに現地を視察。金総書記は実験の結果に大いに満足し、米国と韓国が北朝鮮を敵視する政策を断念する時まで、「より強力な軍事的攻勢を連続的にかけていく」と話したという。

北朝鮮メディアは13日、金総書記が発射実験を視察する様子を撮影した写真を公開したが、韓国の聯合ニュースなどによると、写真の中には、金総書記の持ち物とみられる折り畳み式のスマホのようなものが写っていた。聯合は「写真を見ると、椅子に座った同氏の前にはテーブルがあり、たばこや灰皿、飲み物のほかに、ケースに入ったものが置かれている。特定はできないものの、外形は韓国・サムスン電子製の縦折りスマホ『ギャラクシーZフリップ』シリーズとよく似ている」と報じた。

また、中央日報は「写真に写っていた物体が折り畳みスマホであるならば、これは中国を経由してひそかに北朝鮮に持ち込まれた製品である可能性が高い」と指摘した。

金総書記は新型の電子機器に関心が高いとされ、2019年8月には、金総書記が「超大型放射砲」の試験発射を指導する様子を撮影した写真に、米アップル社の製品iPadとみられるタブレットPCが置かれていた。また、中央日報によると、2015年にサッカー大会の取材のため北朝鮮を訪問した韓国の取材陣が、北朝鮮の中部、ピョンアンプクド(平安北道)にあるミョヒャンサン(妙香山)国際親善展覧館で、海外メーカーの各種電子機器が展示されているのを確認しているという。同館は北朝鮮の最高指導者に贈られたプレゼントを主に展示しており、同紙によると、当時、同館の金総書記のコーナーには中国のレノボ社製のノートパソコンや初期モデルとみられるiPadなどが展示されていたという。

しかし、前述のように、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議2397号は、電子機器製品の対北朝鮮輸出入を禁止している。

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