北朝鮮の「移動通信法」制定…住民の利便か内部統制か

北朝鮮の「移動通信法」制定…住民の利便か内部統制か

北朝鮮の「移動通信法」制定…住民の利便か内部統制か(画像提供:wowkorea)

北朝鮮携帯電話の普及が増えている中、北朝鮮が「移動通信法」を制定し、その背景が注目される。

北朝鮮は4日、最高人民会議常任委員会で「移動通信法」を採択した。この法律は、△移動通信設備の建設と管理運営△移動通信ネットワークの完備△移動通信の多様化を実現△移動通信サービスと利用△移動通信設備の登録などをはじめとする移動通信事業での原則を反映していると明らかにした。

最近、北朝鮮での携帯電話加入者数は600万人に達するといわれている。2014年時点での加入者数240万人よりも2倍以上増加した数値だ。

このような状況の中、北朝鮮の移動通信法制定には、関連「インフラ」の拡充の意志が込められているように見える。特に立ち遅れた地方にも、移動通信施設と設備・インターネット環境などを改善し、携帯電話の普及率を高め、利便性を提供するものと期待される。

今年10月、対外宣伝メディアの「エコー」は、現金やカードがなくても商品を購入することができる新しいモバイル決済システムが導入されたと報道した。

今年の梅雨の時期には、北朝鮮の気象水文局(気象庁)が気象情報をリアルタイムで提供する携帯電話向けのアプリケーションを開発した。

また、農作物の生育予測と農業気象常識を知らせる農業気象(1.0)と台風などの海上予報と水温、塩分濃度、海流などを分析する海上気象(1.0)アプリは、農・漁業等に従事している住民の生活に役立っていると伝えられている。

ただし一部では、移動通信法が住民の思想統制を強化する措置だという分析が提起されている。最近、北朝鮮は制裁とコロナにより社会的にも経済的にも厳しい状況下で、思想統制を強化しているため、移動通信法もやはりその過程の一つであるという主張だ。

先月29日、キム・ジョンウン国務委員長は、政治局拡大会議を開き、「党の思想事業部門を強化し、対象機関に党の指導を徹底的に行っていく」決定をした。この指示に基づいて、住民の思想に否定的な影響を与える外部情報を遮断する根拠となりうる、移動通信法を制定した声が出ている。

現在、北朝鮮は、スマートフォンを通じたインターネットとWi-Fi機能を制限している。ほとんどの機種は元々インターネットとWi-Fi機能を備えていない。

一部機種の場合Wi-Fi機能を利用することができるが、北朝鮮当局が接続者を追跡・管理していることが知られている。これは外部情報を制御するための措置であり、北朝鮮の住民たちはスマートフォンを介して「クァンミョン(光明)ネット」という名前のイントラネットだけを使用している。

このような状況の中、移動通信法の制定が北朝鮮社会の孤立を強化し、当局の統制力をさらに高める制度として活用されるという懸念が提起されている。

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