米韓演習問題、「政治的判断も重要」=韓国 大学教授の見解

米韓演習問題、「政治的判断も重要」=韓国 大学教授の見解

韓国 中央大学のチェ・ヨンジン政治国際学科教授(画像提供:wowkorea)

韓国では 今年3月に実施されることになっている米韓合同演習の再開が問題となっている。北朝鮮による強力な中止要求に対してムン・ジェイン(文在寅)大統領が「協議は可能だ」と発言したことで、事態はより問題化した。ソ・ウク(徐旭)国防相は「演習を実施するという考えで、米韓合同司令部と実施方法を緊密に調整している」と明らかにしたが、北朝鮮の要求に押され 演習が延期するのではないかという懸念は収まらない。

表面上 この問題は、「米韓合同演習の再開」に関することである。しかし 問題の本質は「政治的判断」と「軍事的必要」との間での衝突という点に留意する必要がある。現政府の立場で 北朝鮮との対話を引き出すためには、彼らの要求を聞かなければならないという「政治的理由」がある。しかし 軍事的には 対北抑止力の核心である米韓合同戦力維持のために、定期的な合同演習は必要である。北朝鮮との対話という政治的判断と軍事的演習の必要性が衝突しているということだ。

ここで発生する問題が「民軍関係」だ。「政治的判断」が文民政府の役割なら、「軍事的必要」は軍が担当することである。これらの関係を規定する最も重要な原則は「文民統制」である。すなわち 政府の決定に軍が従うということである。このような文民統制の原則が重要なのは、単純に軍の統帥権者が大統領であるからではない。戦争の本質が「政治の手段」であるためだ。言い換えれば 軍事的行為は、政治的必要によってなされるということである。すなわち 政治的判断が優先されるということである。

軍人に政治的中立を求める理由も、ここにある。軍人がどんな政治的立場をもっていたとしても、統帥権者の決定に従わなければならない。しかし そうはいっても、軍人が政府の決定に“無条件”従わなければならないというわけではない。軍人は国防の専門家として自分たちの意見をしっかり伝えなければならず、政府は軍の意見を傾聴する義務がある。もちろん 政府は軍の主張に従わなければならないわけではない。このことは「不平等な対話」とも呼ばれる。

軍事に対して政治が優位でなければならない もう一つの理由は、軍事的行為が政治的意味を通じて解釈され理解されるためである。米韓合同演習も政治的行為として、その機能を遂行している。北朝鮮が挑発する場合、強力な米韓連合軍と戦わなければならないというメッセージが込められている。このような中 北朝鮮の態度の変化によって米韓合同演習の性格と規模も調整されてきた。

一部では 韓国軍が「政治的な忖度」を貫いていると非難している。しかし 程度の問題はあるが、民軍関係の本質と軍事行為の政治的意味を考慮する時、適切な水準の「考慮」は必要である。韓国軍が実質的な対北抑止力を維持しているなら、問題となることはない。このような政治的調整を「忖度」とののしりながら、軍指揮部を引きずり落とすことは 少し過度な批判ではないかと思う。

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