<W解説>慰安婦論文の教授を批判したハーバード大学の校内新聞「クリムゾン」とは?

<W解説>慰安婦論文の教授を批判したハーバード大学の校内新聞「クリムゾン」とは?

<W解説>慰安婦論文のラムザイヤー教授を批判したハーバード大学の校内新聞「クリムゾン」とは? (画像提供:wowkorea)

米ハーバード大学の校内新聞「ハーバード・クリムゾン」が旧日本軍慰安婦を「自発的な売春婦」と分析した同大学ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授の論文を批判している。

校内新聞の社説が「慰安婦女性に関するラムザイヤーのウソは、深い所が腐っていること(Deeper Rot)を表している」と主張していることにはビックリだ。

この「ハーバード・クリムゾン」とは1873年に創刊されたハーバード大学の校内学生新聞。「クリムゾン」とはハーバード大学のイメージ色である「深紅色」を意味する。学生新聞としては米国で最も長い歴史を持つ。主に学部生250名ほどが共同編集者として活躍している。

歴代編集者の中には後ほど世界的な有名人になった人も多い。米国大統領も2名いて、フランクリン・ルーズベルト元大統領とジョン・F・ケネディ元大統領だ。新聞社は大学の機関でもないし、大学からの資金援助も一切受けない「自主運営」システムである。

編集陣250人の多数決で掲載となったとみられるこの社説は「ラムザイヤー教授が、非常に有害な歴史学的ウソを出版している。」や「彼の論文を出版する理由がない」という表現も使っている。いずれもワーディングとしては北朝鮮の宣伝紙を連想させる表現だ。

米国において”学問の殿堂”と言えるほどの名門大学生らがこのような”反学問的な表現”を使っていることには疑問を感じ、残念でならない。

編集陣はまた、ラムザイヤー教授の論文が「学問の自由だ」という主張に対して「ラムザイヤー教授の論文は、“他の意見”というものとは違い “虚偽情報”を伝えるものだ」とし「そのため 学問の自由保護領域に置くことはできない」と主張している。

しかし、編集陣が言っているように「”他の意見”なのか、”虚偽情報”なのか」を判断するのは誰なのか。ガリレオが科学的な観測を根拠に「地動説」という”他の意見”を出した時、「天動説」を常識としていた勢力はそれを”虚偽情報”として断罪していた。学問も歴史も、問題提起とそれに対する反論、そして科学的な検証が繰り返されることで正しい方向に向かっていく。

社説の掲載可否に関して、250人の編集陣の中、3人が投票し2人が賛成したならばまだしも、250人が参加して126人が賛成したならば、そして、米国最高学府の大勢の学生がこのような姿勢ならば、米国には未来がない。「学問の自由」をこのように簡単に踏みにじる姿勢なら、数十年後の米国は「天動説の中世」に戻ってしまうはずだからだ。

クリムゾン紙はつづけて「基本的な事実に反する学術理論は、出版する価値がない」とし「どんなアイデアでも 危険で事実と合わなければ、破棄されるべきだということだ」と伝えた。

「基本的な事実に反する」かを科学的に検証もせず「破棄されるべき」と言うのは、「学問」の以前に反文明の破壊主義だとしか言いようがない。

慰安婦が「性奴隷」だったのか、「自発的な売春婦」だったのか、あるいは「第3の状態」だったのか、それはラムザイヤー教授の論文に対するこれからの学問的な反論の課程で自然に検証されていくだろう。

「学問の自由」を話す研究者の論文に対して「価値がない、危険だ、破棄されるべき」と低俗な政治攻撃をすることは、148年に渡る「クリムゾン」の歴史と伝統、その先輩編集者たちの名誉、学術に対する冒涜にしかならない。論文には「政治扇動」ではなく、「論文」で反論すべきだ。

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