コロナ対策の貿易停止からまもなく1年…カレンダー印刷すら困難な状況に

コロナ対策の貿易停止からまもなく1年…カレンダー印刷すら困難な状況に

2017年の北朝鮮のカレンダーに登場した高麗航空の客室乗務員たち

北朝鮮当局は昨年1月、新型コロナウイルスの国内流入を遮断するため、国境を封鎖し、貿易を停止する措置を取ったが、中国依存度が極端に高い北朝鮮経済は深刻なダメージを受けている。

貿易がストップしたことで、肥料やビニール膜などの農業資材が不足して、農業生産にも大きな影響が出た。食料品の価格が高騰したことも合わさり、餓死者が出るなど深刻な状態となっている。

長引く貿易停止は意外なところにも現れた。カレンダーだ。

北朝鮮の各出版社は、日付が書かれただけの粗末なものから、カラー印刷された上質なものに至るまで、様々なカレンダーを印刷、販売している。カレンダーに力を入れるのは、国から求められた外貨稼ぎのノルマを達成するためだ。

だが、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、印刷インクが輸入できなくなったことで、カレンダーの印刷が遅れており、現地にカレンダーが到着したのは昨年末になってからだ。

例年なら11月末から12月初旬に流通し、市場の売り場にも様々なカレンダーが並ぶものだったが、今年は印刷が遅れ、商人の間では「2021年のカレンダーはそもそも作られないのではないか」との話が飛び交う状況だったという。

昨年12月の中旬になってようやく印刷に入ったものの、インクが充分に確保できず、物量は大幅に減ってしまった。カレンダーは、御年賀ギフトとしても活用されていたが、価格が例年の6倍以上に高騰し、入荷量が少なく入手が困難になったため、それもできなくなってしまった。

同様の事態は、今回が初めてではない。2015年にも翌年のカレンダーの製作が遅れる事態となったが、その理由は紙と電力の不足だ。このときは、中国の業者に外注することで乗り切ったが、貿易ができない今ではそれも使えない手だ。

関連記事(外部サイト)