「韓国の空母は日本にぜったい勝てない」韓国専門家も断言

「韓国の空母は日本にぜったい勝てない」韓国専門家も断言

韓国型軽空母のイメージ(韓国海軍提供)

韓国で、軍の軽空母導入の是非を巡る論争が熱を帯びている。

中央日報は19日、「韓国は1隻もないが…中国、3隻目の空母が年内進水か」と題した記事を掲載。本文の中に、韓国も導入を急ぐべき、とする主張は見当たらないが、タイトルだけ見れば同紙がそういった主張を持っているものと解釈できる。同紙の過去記事を見ても、海軍の軽空母導入を待ちわびているかのように見える。

対して、朝鮮日報は導入反対の論調を鮮明にしている。17日付の記事では、「この軽空母を巡る韓国軍の作戦上の所要が何なのか分からない」と指摘。

最近、空母導入に力を入れる日中を例に挙げ、「中国は海岸線の長さだけで1万キロに達し、日本はEEZ(排他的経済水域)が韓国の8倍を超える。九州から太平洋の南鳥島までの距離は1800キロに達する。韓国は、守るべき海が広くない。陸上基地から発進する戦闘機が東海、西海、南海のEEZのどこであろうと速やかに到達する」などとし、不要論を展開した。

韓国メディアの平均的な論調は、慎重論に傾いているように見える。韓国の軽空母導入は「コスパ」が合わない、との解説は多くの識者から出ており、それに対する専門的な反論はあまり見当たらない。

たとえば、韓国の月刊誌「新東亜」2020年10月号は、「韓国型航空母艦、このままでは7兆ウォンの標的艦に」と題したイ・イル自主防衛ネットワーク事務局長のレポートを掲載している。軍の空母導入妥当性評価に民間研究員として参加したイ氏は、自らの研究結果は「朝鮮半島近海で韓国の軽空母は生存が不可能だということだった」としながら、「このような立場は、米海軍が提示する海域別の艦船生存性評価資料でも同じように示されている。韓半島の周辺海域、特に西海(黄海)はホルムズ海峡に加え、世界で軽空母が生き残る上で最も危険な海として評価されている」と指摘。

さらには中国、そして日本との戦力差に言及しながら、「韓国の空母は絶対に勝てない」と断言している。

こうした理論的なハードルは、文在寅政権の与党・共に民主党ですら乗り越えられずにいる。韓国国会が先月2日の本会議で議決した今年度の国防予算は52兆8401億ウォン(約5兆300億円)で、前年比で5.4%も増えている。新型コロナウイルスで国家財政が打撃を受けながらも、文在寅大統領が昨年8月15日の演説で国民に約束した「誰も揺るがすことのできない国」に向け、軍事力増強の決意を示したものと見える。

しかし、新兵器導入構想の中でも話題の中心になってきた軽空母関連の予算は、研究用とシンポジウム開催のための1億ウォン(約950万円)しか割り当てられなかった。防衛事業庁が101億ウォンを要求していたことを考えると、「ゼロ回答」に近い結果だ。

それでも、青瓦台(大統領府)は何がなんでも軽空母導入を推し進めるつもりのようだ。その理由は何か。ハッキリ言って、ナショナリズムの表出以外の答えが見つからない。過度なナショナリズムが国際的な友好協力に有益でないのは言うまでもないが、それが軍事面に表れることには、不穏なものを感じざるを得ない。

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