【めぐみさんへの手紙】悲しみの11月から42年 東京都立川市立立川第七中

【めぐみさんへの手紙】悲しみの11月から42年 東京都立川市立立川第七中

自宅近くの海を家族と眺める小学6年の横田めぐみさん(左から2人目)。この約1年後に北朝鮮工作員に拉致された=昭和51年8月、新潟市内

 横田めぐみさん(55)=拉致当時(13)=の両親の滋さん(86)と早紀江さん(83)ら家族は11月になると、悲しみが深まる。14日の滋さんの誕生日を家族で祝った翌15日、めぐみさんが拉致されたからだ。拉致事件を通して長年、「命の大切さ」を学んできた東京都立川市立立川第七中学校の生徒たちからめぐみさんへの手紙が新たに寄せられた。一部を紹介する。

■中1 原田ほのかさん(12)「拉致問題知って 継続が力になる」

 私は内閣府の霞ケ関見学デーに行き、たくさんの人々が拉致問題を知ってもらおうと努力していることが分かりました。平和な毎日に感謝しなくてはならないという気持ち、少しでも早く、拉致被害者の方々を帰国させてあげたいという気持ちが強くなりました。

 横田めぐみさんの拉致を描いたアニメ「めぐみ」を見て、たくさん感じるものがありました。一番は、なぜ、こんなひどいことがおこったのに、多くの人が拉致問題を知らないのかということです。それは、ニュースで取り上げる機会が少なくなっているからだと思います。また、少しでも被害者の方々の力になるには、小さなことからだと思います。まだ知らない身近な人たちに伝え、署名活動などをすることです。ニュースで取り上げられなくても、ずっと、続けていくことが大事だと思います。

 普段の生活のありがたみや感謝についても伝えなくてはならないと思います。あたり前のように思っているかもしれませんが、とても幸せなことなのです。拉致被害者はその幸せを一瞬にして奪われてしまったのです。普通に食事できること。家族といられること。拉致被害者にとっては、あたり前ではないのです。

 私は拉致被害者の方々に伝えたいことがあります。絶対、あきらめないでください。私たちも被害者の帰国をあきらめず活動していきます。また、その思いを聞いた人がすこしでも拉致問題に関心をもってもらえればいいな、と思います。

■中2 仲尚登(なおと)さん(14)「被害をVR体験 救出へ思い強く」

 つい気がゆるむような平和な日本にも、ただ過ごしているだけでは感じられない問題がある。拉致は、小さい子供から大人まで無理やり遠くへ連れだし、夢や自由をある日突然一瞬で奪い去ってしまう人権侵害だ。多くの人に知ってもらわなければならない、日本と北朝鮮で起きている現実だ。

 私は国際シンポジウムに参加した。拉致被害者のご両親らも参加され、どうすれば一日でも早く被害者を取り戻せるか話し合い、一緒に「ふるさと」を歌い、音源を北朝鮮向けラジオで生で流すなど普段できない体験をさせていただいた。

 拉致被害見学イベントで印象に残ったのは仮想現実(VR)の体験だ。横田めぐみさんがどのように拉致されたかを体験した。自分が拉致され光が見えない状況だったらと考えると、こわかった。子供たちにこんなものを見せていいのかという反対意見も多くあったそうだ。それでも、私は体験してよかった。心にささるような体験をして、このようなことがあってはならないという気持ちを持つ人が増えなければ拉致問題解決は先のばしになるかもしれない。目をそむけるのではなく、正面からぶつかっていかなくてはならない。

 自分が協力しても何も変わらないと思うのではなく、協力したい気持ちを自信を持って世の中に発信できれば、それが大きなものへと変わっていく。助けたいという気持ちを強く持ち、願って、願って、願えば、拉致被害者の夢や笑顔を取り戻せると思う。

■中2 根本奏奈(かな)さん(13)「人々の未来 これ以上奪わないで」

 横田めぐみさん、はじめまして。私は13歳です。めぐみさんが拉致されてしまった年齢です。アニメ「めぐみ」を見て改めて事の大きさを感じました。正直な感想はみんなが想像しているよりつらい思いをしているだろうな、でも、これからも希望を捨てず生きてほしい、という思いでした。

 北朝鮮のみなさん。どんな理由があったにせよ、めぐみさんを連れて行ったことは許さないし、許されることではないです。13歳の少女の未来を奪ってまでしたかったことは何ですか。これ以上、いろんな人の未来を奪わないでください。たった1人と思っているかもしれないけれど、めぐみさんの両親や周りの人のように傷つく人を増やさないためにも、二度とこんなことをしないでください。

 滋さんと早紀江さんは42年間、署名活動や講演を行ってきました。めぐみさんの元気な声や笑顔をまた見られるように、その日がきっと来ると信じているからです。辛くなったら空を見上げてください。空はどこまでもつながっているから、たとえ離れていても、心はつながっているんだと思ってくれたらうれしいです。

 めぐみさんは十分すぎるくらいつらい思いをしてきたと思います。滋さんも望んだ「人並みの幸せ」は一瞬にして崩れてしまったけれど、待ち続ける人に「ただいま」と言えるよう、必ず元気な姿で帰ってきてください。そして、人並み以上の幸せを手にしてください。そんな日がくると信じて、待ち続けます。

× × ×

 横田めぐみさんらすべての拉致被害者にささげる「めぐみさんへの手紙」を、全国の小中学生や高校生、大学生から募集します。学校のクラス単位での応募も歓迎します。お子さんやお孫さんらにも勧めてください。

 字数は問いませんが、おおむね原稿用紙1〜5枚(400〜2000字)ぐらい。郵送の場合は〒100−8078(住所不要)産経新聞社編集局社会部「めぐみさんへの手紙」係へ。eメールはnews@sankei.co.jpまで。住所、氏名、年齢、学年、電話番号(小中学生の場合は保護者の方の連絡先)を明記してください。

 産経新聞社はこの手紙の募集に合わせて、拉致問題に関するテーマについて現役記者らが分かりやすく講義する“出前授業”を実施します。問い合わせは、編集ソリューション室(nie-tokyo@sankei.co.jp)まで。

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