「日本は正直であるべきだ」と述べた「文在寅大統領」に戻ってきたブーメラン

「日本は正直であるべき」と発言した文在寅大統領に『ブーメラン』と指摘

記事まとめ

  • 文在寅大統領と親しいソウル市長と釜山市長にセクハラ・スキャンダルが浮上した
  • その補欠選挙で与党が党憲に反するような表明をしており、文大統領は沈黙を続けている
  • 文氏は1年前に「日本は正直であるべき」と訴えており『ブーメラン』と指摘されている

「日本は正直であるべきだ」と述べた「文在寅大統領」に戻ってきたブーメラン

■「セクハラ・スキャンダル」が原因で「親・文在寅政党」の市長職が空席に


 大韓帝国が国権を失って日本帝国と併合した「韓国の国恥日」から109年目の2019年8月29日、文在寅大統領は大統領府の閣議で、「日本は正直であるべきだ」と日本非難を開始した。当時、文大統領は「日本は経済報復の理由を正直に明かさず、随時言葉を変えて、経済報復を合理化しようとしている」「過去の過ちを認めず、歴史を歪曲する日本政府の態度は被害者の傷と痛みを悪化させている」と主張していた。

 前日の28日、日本政府が韓国をいわゆるホワイト国リストから除外する措置を決め、大統領の発言は韓国国民の日本に対する怒りを誘発し、大統領の支持率を上昇させた。

 文大統領の過激な発言が反日感情を高めて日本製品不買運動が拡散、ユニクロ店舗前での営業妨害や日本製ビールの陳列拒否、日本製自動車の路上破壊などを引き起こしたのだった。

 一方、最近になって文大統領が他人に「正直であるべきだ」という資格があるのかと指摘される事件が発生し、論争が巻き起こっている。

 親・文在寅政党である「共に民主党」は文大統領という権力者を後ろ盾に、ソウルと釜山の市長職を掌握したが、現在、両市長職はいずれも空席となっている。

「セクハラ・スキャンダル」が原因だ。

 今年4月23日、釜山市長を務めていた呉巨敦(オ・ゴドン)氏は、女性公務員と面談中にスキンシップをしたなどセクハラ行為が発覚して市長を辞任し、民主党からも追放された。

 昨年9月、「セクハラは必ず根絶しなければならない旧態だ」と述べたばかりだった。
 今年7月9日には、在任中の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が山に登って自殺。前日まで普段通りに職務を遂行していた市長の死は衝撃的だった。

■「再補欠選挙の原因を作った政党は候補を出してはならない」と規定


 その後、朴前市長が前日、30代の女性秘書からセクハラの嫌疑で刑事告訴されていたことが明らかになり、行為の露呈を恐れて自殺したという報道が相次いだ。

 更に被害女性の弁護士が記者会見で「朴氏はソウル市長という立場を利用して被害者の膝にくちづけをしたり、恥ずかしい写真を携帯で送りつけたりした」と公にした。

 ソウル市長の朴氏と釜山市長の呉氏は、女性へのセクハラ・スキャンダルのみならず、文大統領と非常に親しいという共通点があった。

 補欠選挙は来年4月に行われるが、それが火種となりそうなのだ。

 2015年10月、当時、民主党代表だった文氏は対立していた保守政党「セヌリ党(現国民の力)」所属政治家の選挙法違反に伴う補欠選挙を目前に控え、「約1億1000万円の予算がかかる再選挙に、その原因を作ったセヌリ党は候補を出すべきではない」と述べ、セヌリ党候補の出馬を強く非難した。

 文代表は民主党の憲法である「党憲」に「再補欠選挙の原因を作った政党は候補を出してはならない」という内容を追加。

 5年後の現在、文大統領の言葉に従えば、ソウル市長と釜山市長の補欠選挙に民主党は候補を出すことはできないはずだが、民主党はその態度を180度転換させたのだった。

 文在寅政府の初代首相で次期大統領の有力候補と目される李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は「党憲を変えてでもソウルと釜山に市長候補を出す」と表明。

 10月31日〜11月1日に党員内投票を行い、賛成86・64%で党憲を改正、市長選に候補を出馬させることを決めた。

 保守野党やメディア、また国民も「図々しい」と非難するが、民主党にとってはセクハラ被害者の苦痛より選挙で勝つことの方が重要なのだろう。


■「文在寅政府は歴代政府のなかで、これまでになく公正だ」と述べ、失笑を買う


 李代表は「被害者女性に謝罪する」と述べたが、被害者は「一体何を謝罪するのか」と怒りを露わにしている。

 女性被害者は現在、民主党支持者らから朴氏を自殺に追い込んだ元凶という烙印を押されて個人情報を晒され、虚偽のわいせつ行為暴露だとさえ非難される「2次被害」を訴えている。

 朴氏からセクハラという「1次被害」を受け、そして民主党の党憲改正という「3次被害」に遭っている。看過しがたい問題である。

 しかし、党憲の改正議論に文大統領は沈黙を続けている。

 自分が有利なら大声で、不利なら口を閉ざす姿勢は相変わらず。

「文在寅の影」とも呼ばれる盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長は4日、国会の国政監査で、党憲改正と文大統領の責任に対する保守野党の追及に、「大統領は政党の決定や選挙関連事案への立場を明らかにしたことはない」と答弁した。

 今回の騒動に文大統領を巻き込まないという思惑が見え見えで、さらに盧室長は「文在寅政府は歴代政府のなかで、これまでになく公正だ」と述べ、失笑を買ってもいる。

 わずか1年前「日本は正直であるべきだ」「(日本は)根拠もなく随時言葉を変える」と訴えた文大統領。その言葉の意味を今、改めて問われていることになる。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月13日 掲載

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