【韓国自動車名鑑➀】グレンザー:ソウル五輪時に三菱と開発した”韓国のクラウン”…今も大人気
2023年02月24日 11時02分コリア・エコノミクス
グレンザーは日本でいえばトヨタのクラウンに相当する老舗プレミアムモデルだが、今なお韓国内販売数で上位に入る人気長寿モデルでもある。アバンテやソナタと共に現代自動車を代表するセダン車ラインナップの一つで、韓国自動車市場の多くの販売記録を取り替えてきた車である。
最初に発売されたのは1986年7月だ。当時、直線的な車体デザインから「角グレンザー」というあだ名がついたこの車は、ソウルオリンピックを控えてオリンピック公式スポンサーだった現代自動車が、日本の三菱自動車工業と共同で開発したモデルだった。

グレンザー第1世代は、車体とデザインは現代自動車が担当し、エンジンとパワートレイン設計は三菱自動車工業が担当した。共同開発とはいえ、重要部分は三菱が担当したと言える。
韓国産大型車としては初めて前輪駆動方式が採用され、広い室内空間を実現し、当時、大宇(テウ)自動車が掌握していた大型車市場のトップを奪取して以来、現在まで韓国の高級乗用車のトップランナーとしての地位を守っている。
ちなみに三菱自工はグレンザーと同じモデルを「デボネア」第二世代として販売しているが、トヨタ・クラウン、日産セドリックなどとの競争に勝てず、デボネアは1999年には製造終了となっている。

現代自動車はその後、グレンザーの第二世代モデルは三菱との共同開発を維持したが、第三世代からは独自開発の形をとった。名実ともに国産高級車の登場だ。グレンザーはその後も韓国高級車の代名詞としてあり続け、昨年11月には第7世代グレンザー(GN7)が登場した。市場価格は5121万ウォン~3631万ウォンだ。(danawa.com参照)日本円で530万円~376万円レベルだ。

KAMA(韓国自動車産業協会)の統計によると、グレンザーは2021年に韓国自動車市場(商用車除く)で8万9084台を売り販売台数1位を記録した。昨年は3位だった。
現代自動車は、レクサスのように、高級自動車ブランドとして別途「ジェネシス」というプレミアムブランドを設けている。日本ではクラウンがレクサスの登場によって存在感が薄くなってしまったが、韓国では「老兵」のグレンザーがいまだ王者の地位を維持しているのだ。グレンザー第七世代車は韓国自動車記者協会が選ぶ「2023カーオブザイヤー」も受賞している。
韓国ドラマや映画でも、政治家や大企業役員、ヤクザ幹部などが乗る車として度々登場するのがグレンザーだ。まさに韓国ハイクラスの代名詞的存在として輝きを放ち続けている。
記事にコメントを書いてみませんか?