カンヌ最高賞、スウェーデン人監督のコメディー映画に

【5月29日 AFP】フランス・カンヌ(Cannes)で開催されていた第70回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で28日、スウェーデンのリューベン・オストルンド(Ruben Ostlund)監督が手掛けた『The Square』がコンペティション部門最高賞のパルムドール(Palme d'Or)に選ばれた。同作品は、政治的公正さと現代男性の複雑なアイデンティティーが交錯する風刺映画。

 パルムドールは、国際映画祭の中で最も栄誉ある賞の一つ。オストルンド監督は、多数の候補作品の中から自身の監督作品が選ばれると、スピーチのために立ったステージ上で「オーマイゴッド、オーマイゴッド!」と繰り返し叫んだ。コメディー映画に同賞が贈られるのはまれなことで、スウェーデン人監督の受賞も今回が初めて。

 次点に相当するグランプリを獲得したのは、ロバン・カンピヨ(Robin Campillo)監督の『120 Beats Per Minute』。AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)を前に及び腰だった世界に対し対策を進めるよう働きかけた急進的な活動団体を描いた仏映画で、事前に高い評価を得ていた。

 3位に相当する審査員賞には、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領政権下のロシア社会にまん延する倫理的堕落を描いたアンドレイ・ズビャギンツェフ(Andrey Zvyagintsev)監督の『Loveless』が選ばれた。

 一方、同映画祭で上映された4作品に出演したニコール・キッドマン(Nicole Kidman)は第70回を記念する「記念賞」を受賞。授賞式にビデオメッセージを寄せた。

 監督賞は、米南北戦争が舞台の作品『白い肌の異常な夜(The Beguiled)』のリメークを手掛けたソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督が受賞。キッドマンらが演じた南部女性を魅了する兵士役にコリン・ファレル(Colin Farrell)が挑んでいる。

 男優賞は、リン・ラムジー(Lynne Ramsay)監督の超バイオレンス映画『You Were Never Really Here』でトラウマを抱えた殺し屋を演じたホアキン・フェニックス(Joaquin Phoenix)に贈られた。フェニックスは、米アカデミー賞(Academy Awards)に3度ノミネートされた経歴を持つ。

 女優賞は、母国ドイツの作品で銀幕デビューを飾ったダイアン・クルーガー(Diane Kruger)が受賞。元モデルでハリウッド女優のクルーガーは、普段は魅惑的なイメージが強いが、同作品ではクルド人の夫と息子をネオナチに殺され復讐を誓う母親を演じている。

 映像は、女優賞を受賞したダイアン・クルーガー、パルムドールを受賞した『The Square』のリューベン・オストルンド監督、審査員賞を受賞した『Loveless』のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督、パルムドールの次点に相当するグランプリを獲得した『120 Beats Per Minute』のロバン・カンピヨ監督。(c)AFP/AFPBB News