中国のワクチン外交に屈しつつあるトルコの国内事情 ウイグル人、欧米関係、感染拡大に悶えるエルドアン大統領の嘆息

中国のワクチン外交に屈しつつあるトルコの国内事情 ウイグル人、欧米関係、感染拡大に悶えるエルドアン大統領の嘆息

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(土田 陽介:三菱UFJリサーチ&コンサルティング・副主任研究員)

 3月以降、トルコの新型コロナ感染者数が急増している(図1)。人口1万人当たりの新規感染者数は足元で7人を超え、欧州で最も酷い国であるフランス(4.8人)はもとより、感染が急拡大中の日本(2.4人)をはるかに上回る。増加のテンポには徐々にブレーキがかかっているように見えるが、実態はより深刻である可能性が否定できない。

 というのも、トルコは昨年末まで感染者数を過小に公表していた前科がある。具体的には、新型コロナウイルスに感染していた人ではなく、発症していた人を感染者数として公表していたのだ。そのためデータ自体が不連続な性格となっており、過去と比べて現在のほうが酷いのか、また現在もどれくらいの感染者がいるのか、よく分からない状況だ。

 イスラム圏では今年、4月12日から5月12日までがラマダンに入る。日本では昼間の絶食ばかりのイメージが先行するラマダンだが、本来は禁煙などを含めたあらゆる摂生に努めて自身を清め、信仰心を厚くする期間を意味する。特に、金曜日にはモスクで集団礼拝が行われる慣例があり、これが新型コロナのクラスターとなりかねない。

 そのためイスラム圏の諸国は4月中旬以降に行動制限を強めている。トルコでも、65歳以上及び18歳以下の外出規制を強化したり、店舗の営業規制を延長・強化したりして、ラマダン期間中の行動制限を強化している。同時にトルコでは、高齢者を中心にワクチンの接種も進めており、6月には30〜40代の接種も始まる模様だ。

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