処理水海洋放出が直撃する日中蜜月の環境ビジネス 最後の「ウィンウィンの協力分野」に立ち込める暗雲

処理水海洋放出が直撃する日中蜜月の環境ビジネス 最後の「ウィンウィンの協力分野」に立ち込める暗雲

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(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 4月13日に日本政府が福島第一原子力発電所の処理水を海洋放出すると発表すると、中国のネット上で一斉に非難と怒りの声が沸き起こった。

 麻生太郎財務相の「処理水は飲めるんじゃないか」という発言を、中国のネット民は「(麻生氏自身は)これを飲めるのか」と猛批判。すると、そこに香港メディアが割って入り「(中国外交部のスポークスマンは)中国の原発排水を飲めるのか」と斬り込む一幕もあった。

 政府間でも鋭い対立が起きている。海洋放出が発表された翌日の4月14日、ニューヨークで開催された「ブルームバーグNEFサミット」で、小泉進次郎環境相が温室効果ガスの排出削減を加速するよう中国に要求すると、中国外交部は4月15日の定例記者会見で、「日本はまず自国を管理せよ。海洋放出は極めて無責任な行為だ」と応酬した。

 日本政府による処理水の海洋放出承認は、ちょうど菅首相の訪米前夜に発表された。中国には、米中首脳会談の進展に釘を刺したい思惑もあるのだろう。

 処理水の海洋放出は、日中政府間の対立の要因になるだけでなく、これまで緊密に進められてきた日中の環境分野での協力に影を落とすのではないかという心配の声もある。

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