中国が「二人っ子政策」でも出生数減少を止められなかった理由 東アジア「深層取材ノート」(第89回)

中国が「二人っ子政策」でも出生数減少を止められなかった理由 東アジア「深層取材ノート」(第89回)

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 6月1日は、中国では「子供の日」である。毎年、全国各地の学校や幼稚園などで、和やかなイベントが開かれるが、この日、CCTV(中国中央広播電視総台)が報じたトップニュースは、一味違っていた。「全国の子供たちの間で、中国共産党を称える運動が隆盛」という自作自演のようなニュースだったのだ。

 映像には、「童心向党 幸福成長」(童心は党に向かい、幸福に成長する)と書かれた巨大な紅幕の下で、紅いネクタイに党帽をかぶった幼稚園児たちが、「中国共産党を称えるダンス」を、一糸乱れぬ姿で踊っている。いや、「踊らされている」というべきか。その場面だけ見ていると、朝鮮中央テレビの映像と何ら変わらない。

「“紅い遺伝子”を後代に継承していく」

 次の映像には、もっと驚いた。別の幼稚園児たちが、長征時代の匍匐(ほふく)前進の「紅軍体験」をしているのだ。「ボクたちはこうした精神を永遠に放棄しない!」と、園児の張涵銘君が叫んでいる。こちらは、朝鮮中央テレビを超えるものものしさだ。

 長征とは、1934年から翌年にかけて、中国国民党軍に追われた中国共産党の紅軍約10万人が、1万2500kmも敗走し、1万人しか生き残らなかったという悲惨な史実だ。客観的に見て、「敗走」に違いなかったのだが、中国共産党では「偉大なる長距離遠征」(長征)と総括している。

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