世界で「スパイ研究者」問題を引き起こす中国の異質な学問観 「日本のスパイ」容疑で袁克勤教授を逮捕した中国当局の理不尽

世界で「スパイ研究者」問題を引き起こす中国の異質な学問観 「日本のスパイ」容疑で袁克勤教授を逮捕した中国当局の理不尽

世界で「スパイ研究者」問題を引き起こす中国の異質な学問観 「日本のスパイ」容疑で袁克勤教授を逮捕した中国当局の理不尽の画像

(福島 香織:ジャーナリスト)

 2021年5月31日、東京の衆院議員会館の会議室で小さな記者会見が行われた。主催は「袁克勤教授を救う会」。北海道教育大学の教授であった袁克勤(えん・こくきん)氏(65)が中国当局に日本の「情報機関」の「スパイ」として逮捕、起訴されたことを受けて、袁氏の長男の成驥(せいき)さん(29)や袁氏と親交のある研究者たちが組織した団体だ。

 記者会見では、中国政府に「法治国家」として袁克勤氏を正しく処遇するよう要請するともに、「袁氏が日本情報機関のために働いた」という中国側の主張をきちんと否定してほしい、と日本政府に訴えた。

「中国」「研究者」「スパイ」にまつわる問題は、今やあらゆる学術先進国で真剣に対応すべきテーマとなっている。問題は主に以下の3つに分けられる。

(1)先進国の大学、研究機関に在籍している中国人留学生や研究者が、中国のために先進国の技術や研究成果を盗み、持ち帰る問題

(2)中国が世界各国の先端分野の研究者を自国の研究機関に高待遇で集める「千人計画」を進めることによって、先進国の技術、研究成果、情報が中国に流出する問題

(3)中国をフィールドにしたり中国の学術界と交流する先進国の学者や、先進国を拠点に研究する華人学者たちが、中国当局から「スパイ容疑」で逮捕され、中国の「人質外交」に利用されたり、世論、政界工作に利用される問題

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