ウクライナ戦争で激化するサイバー攻撃、保険会社はどこまで損害補償するか 軍事侵攻の前兆となったマルウェア“NotPetya”の被害は100億ドル超

ウクライナ戦争で激化するサイバー攻撃、保険会社はどこまで損害補償するか 軍事侵攻の前兆となったマルウェア“NotPetya”の被害は100億ドル超

ウクライナ戦争で激化するサイバー攻撃、保険会社はどこまで損害補償するか 軍事侵攻の前兆となったマルウェア“NotPetya”の被害は100億ドル超の画像

(篠原拓也:ニッセイ基礎研究所主席研究員)

ロシアの軍事侵攻前に起きた大規模なサイバー攻撃

 ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して1カ月以上が経過した。ロシア軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊から撤退して、ウクライナ東部での戦いに焦点を移すとみられるなど、戦争は新たな局面に入りつつある。

 両国の間では、停戦交渉も進められている。だが、その一方で、キーウ近郊の街では、多くの民間人が殺害されていたことが明らかとなり、深刻な人道危機として、ロシアの戦争犯罪を糾弾する声が国際的に高まっている。戦争の犠牲者を増やさないためにも、早期の停戦が必要な状況だ。

 軍事侵攻前の今年1月には、ウクライナに対する大規模なサイバー攻撃が起こり、外務省など約70の政府機関のウェブサイトが停止した。この攻撃についてロシアは関与を否定しているが、疑う見方が強い。

 2017年にも大規模なサイバー攻撃が行われた。2014年のロシアによるクリミア併合以降、東部地域を中心に紛争が継続するなかで、ウクライナに対するサイバー空間での情報戦も続いている。

 そこで、ウクライナで起きたサイバー攻撃を振り返って、その影響について考えてみたい。

*サイバー攻撃の事実関係等は、“CYBER RISK TOOLKIT”(American Academy of Actuaries, 2022)などの諸資料を参考にする。

続きはJBpressで
(会員登録が必要な場合があります)