イラン攻撃へ準備整えた米国、一触即発の危機 中東情勢はますます泥沼化、世界経済にも大打撃必至

 戦争は突然始まるわけではない。過去の戦争がどういった経緯で開始されかを追うと、いくつもの布石が打たれていることに気づく。

 米国とイランによる軍事衝突の危険性が高まっている。戦争には至らないと考える専門家もいるが、実は米政府はすでに戦争に向けていくつもの布石を打ち始めている。

 その一つが米政府高官によるイラク・バグダッド訪問だ。

 高官は今月に入り、イラクのアーディル・アブドゥルマフディー首相と面会している。中東問題を35年以上も取材するジャーナリスト、アリジャ・マグニール氏によると、米政府高官はイラク側に2つの依頼をしたという。

 1つ目はイランとの商業活動と金融取引の停止である。

 イラン・イラク両国はいま緊密な関係にあり、対テロ対策では相互に連携をとっているほか、貿易・金融の取引も活発である。

 1980年代のイラン・イラク戦争時代は敵対関係にあったが、2003年にフセイン政権が倒れてスンニ派からシーア派政権に代わると、両国は急速に接近した。

 イランにとってイラクは現在主要貿易相手国であり、米国の依頼を簡単に受け入れるわけにはいかないのが本音だ。

 2つ目がイラクの国民動員軍(ハシド・シャービ)が維持するイランとの軍事関係の停止だ。

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