「打つ手なし」の文在寅がトランプに縋った「仲介」 日本はもはや韓国の「ゴネ得外交」に付き合うべきではない

(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)

 トランプ大統領は7月19日、「日韓双方が望むならば、仲介の労を取る用意がある」と語った。韓国・文在寅大統領から「日韓仲介」を依頼されたからだ。

 しかし、今回の日本の輸出管理の運用変更は安全保障上の理由からなされたものであり、これを元に戻す理由はない。他方、文在寅政権は日本の対応によって追い詰められている。もはや北朝鮮への融和政策と徴用工問題への頑なな対応を除いては、これまでの政策を維持できなくなっているのだ。ただ、文在寅大統領は、自らが固執するこの二つの対応の改善なくして日韓間の信頼回復はないと肝に銘じたほうがよいだろう。

徴用工問題への対応は「変化なし」

 これまで徴用工の問題について、日本の仲裁委員会開催要求を頑なに拒否し、日米韓連携を乱してきたのは韓国だった。それが日本の怒りを誘っていたのだが、半導体関連物資の輸出規制で窮地に陥ると、自分の都合のいいことばかり要求するようになっている。それが今の韓国の姿だ。

 7月19日、河野太郎外務大臣の求めにより外務省を来訪した南官杓大使は、日本が「国際法違反を是正するものでないから認められない」と断じていた、古ぼけた“提案”を再び提起し、河野大臣の逆鱗に触れた。通常、外務大臣が他国の大使を呼びつけた時のマスコミ対応は冒頭取材のみである。それが今回は実質的なやり取りまで取材させたばかりか、河野大臣が大使の発言を遮って強硬に抗議するシーンまで報道陣に晒してみせた。これは、韓国の国内向けに日本の強い憤りを伝えるためだ。筆者は、外務大臣が非公開の席でもこのような強硬姿勢を示す姿をかつて見たことがなかった。それだけ今回は、文在寅政権の対応には誠意が感じられないという日本の不満を示したかったのだろう。

関連記事(外部サイト)