今なお続くインドネシア「スカルノ一族支配」の構図 現職ジョコ・ウィドド大統領も「垂簾聴政」で傀儡化の懸念

(PanAsiaNews:大塚智彦)

 インドネシアは1998年、32年間に渡るスハルト長期独裁政権が民主化のうねりの中と折からのアジア通貨危機の余波で崩壊し、民主化を実現した。以後大統領、国会議員のいずれも国民の直接選挙で選ぶという民主主義を国民は謳歌している。

 8月17日に74回目の独立記念日を迎え、全国津々浦々で独立を寿ぐ中、誰もが心に抱くのが独立の父であり、初代大統領でもあるスカルノ氏の偉大な存在である。

衆人環視の下、大統領に閣僚人事で「注文」

 毎年独立記念日に大統領官邸で厳粛な雰囲気で挙行される記念式典では、全国から選抜された青少年に大統領から紅白の国旗が手渡され、それが国歌とともに中央の掲揚台に高く掲げられ、式典は最高潮となる。

 その晴れ舞台の正面壇上、ジョコ・ウィドド大統領の斜め後ろに並ぶ歴代大統領、副大統領の列に緑色の民族衣装クバヤを着た女性がいた。メガワティ・スカルノプトリ第5代大統領でスカルノ大統領の長女である。

 メガワティ元大統領は4月の総選挙で最大議席を獲得し、ジョコ・ウィドド大統領が所属する政党でもある「闘争民主党(PDIP)」の党首でもあり、現在のインドネシア政治の舞台裏で政権運営のカギとなる人物といえる存在である。

 8月8日、バリ島サヌールのあるグランド・イナ・バリ・ビーチホテルの会議場は熱気に包まれていた。PDIPが5年に一度開催している党全国大会の初日、開会式で最前列にはメガワティ党首、ジョコ・ウィドド大統領、ユスフ・カラ副大統領、マアルフ・アミン次期副大統領、スハルト元大統領の女婿で大統領選を戦った野党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首、PDIP所属の閣僚、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教など各宗教の関係者などが一堂に顔を揃えていた。

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