白昼に閣僚を刃物で襲撃、インドネシアで特異テロ 「人権侵害」への報復疑惑が消えぬ中、当局は早々に「テロ」認定

白昼に閣僚を刃物で襲撃、インドネシアで特異テロ 「人権侵害」への報復疑惑が消えぬ中、当局は早々に「テロ」認定

10月10日、インドネシア・バンテン州で「テロ」により負傷し、ヘリコプターでジャカルタの病院に搬送されるウィラント調整相(写真:AP/アフロ)

(PanAsiaNews:大塚智彦)

 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領率いる内閣の重要閣僚であるウィラント調整相(政治・法務・治安担当。72)が10月10日、ジャワ島西部バンテン州で刃物を持った男性に襲われ、重傷を負う事件が起きた。ウィラント調整相は直ちにヘリコプターでジャカルタ市内の陸軍中央病院に運ばれ、緊急手術を受け命に別状はないことが確認された。

 襲撃直後に現場で取り押さえられたシャハリール・アラムシャ容疑者(31)とその妻とみられるフィトリ・アンドリアナ容疑者(21)に対する取り調べが続いているが、陸軍病院を10日午後に見舞いに訪れたブディ・グナワン国家情報庁(BIN)長官は報道陣に対し「容疑者はテロ組織に関係している」との見方を示し、ウィラント調整相の襲撃が単なる暴力事件ではなく「テロ」であるとの見解を示した。

 同日午後にウィラント調整相を同病院に見舞ったジョコ・ウィドド大統領は、「国民を挙げてテロとの戦いを進める必要がある」として事件の早期全容解明とテロ組織に対する断固たる措置を取る姿勢を明確にした。

鋭利な刃物で腹部を2回

 事件のあらましはこうだ。

 10日午前11時30分ごろ、バンテン州ラブアンの教育施設を訪問しようとして車を降りたウィラント調整相は出迎えの警察幹部と握手をしようとしたところ、警察幹部の右後ろから突然現れたシャハリール容疑者に鋭利な刃物で左腹部を2回刺された。

 ウィラント調整相は直ちに近くの医療機関に運ばれ応急手当てを受けた後、ヘリコプターでジャカルタ中心部の陸軍病院に緊急搬送され、3時間にわたる手術を受けた。

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