デジタル制覇狙うロシアの巨大銀行 エコシステム巡り、株式の半分以上所有する中央銀行と対決

デジタル制覇狙うロシアの巨大銀行 エコシステム巡り、株式の半分以上所有する中央銀行と対決

ロシアの銀行

 先日、在モスクワのヘッジファンドの友人からインベスターツアーへの誘いが届いた。筆者の本業は未上場のベンチャー企業への投資である。

 しかし訪問先にはロシアを代表するIT企業の一つであるMail.ru、そして何よりもズベルバンクが含まれている。

 筆者はズベルバンクの最近の動向に関心を持っており、喜んでメンバーに加えてもらうことにした。

 ズベルバンクとは、ロシア版「ゆうちょ銀行」とも言える、ロシア最大の銀行である。

 その歴史は帝政時代の1841年にさかのぼり、ソ連時代も唯一のリテールバンクとして存続、ロシアになってからは、株式の過半数をロシア中央銀行が保有しつつも商業銀行として活動している。

 2019年6月末現在(以下数値は同)、同行の従業員数は29.2万人、国内支店数1万4200店舗、個人顧客数は9300万人にのぼる(ロシアの人口は1億4000万人余である)、巨大金融機関である。

 そして巨大なのは組織だけではない。

 ズベルバンクがロシア国内の個人預金に占めるシェアは44.6%、個人向け貸出の40.8%、住宅ローンの54.4%、法人向けでも預金 24.9%、貸出31.1%。

 この結果、同行の国内銀行総資産に占める割合は31.6%と圧倒的なビジネスの規模を誇っている。

 2018年の純利益は8320億ルーブル(約1兆4100億円)、ROE(自己資本収益率)は23.1%と過去3年間20%を上回るなど業績も好調である。

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