元東京特派員が見た日本にない米国の病根 プアーホワイトはトランプに再び投票してしまうのか

元東京特派員が見た日本にない米国の病根 プアーホワイトはトランプに再び投票してしまうのか

寂れたニューメキシコ州にある町のカフェ

白人労働者を怒らせたヒラリーの一言

 すでに旧聞に属するテーマだが、貧困とか白人労働者とは全く接点のなかった億万長者のドナルド・トランプ氏が、なぜ2016年大統領選で彼らの心を掴めたのだろうか。

 多くの米政治学者や社会学者たちがその理由を探ってきた。

 その一人、カリフォルニア大学バークレイ校のM博士(政治社会学)は筆者にこう指摘している。

「トランプ氏はマーケティングの天才。しかもテレビ番組を制作したり、ミス・コンテストを手がけ、そのテクニックを使って大衆心理を直感でキャッチできた」

「そのため『繁栄から取り残された白人労働者たち』の不満と怒りを見事に嗅ぎとれたのだ」

「白人労働者たちは、トランプ氏こそ自分たちを貧困から救済してくれる救世主と考えた。まるで宝くじでも買うようにトランプ氏に票を投じたのだろう。だがその宝くじは外れだった(笑)」

 皮肉なことだが、そのトランプ氏を助けたのはヒラリー・クリントン民主党大統領候補だった。

 クリントン氏は2016年9月9日のニューヨーク市での遊説で口が滑った。

「トランプ氏を支持する人たちの半分は『どうしようもないほど哀れな連中が入った籠』(Basket of Deplorables)のようなものよ」

「人種差別主義者、女性蔑視・差別主義者、同性愛反対主義者、イスラム教嫌悪主義者たち、挙げればキリがないわ」

 この発言をテレビで見た白人労働者たちは「自分たちも馬鹿にされた」と感じ取った。

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