「許されざる取材」の記者3人、ロシアに消されたか プーチン帝国の謀略(4)

 7月30日、中央アフリカ共和国で取材中だったロシア人ジャーナリスト3人が、車両で移動中に待ち伏せ攻撃を受け、殺害された。

 3人はベテランのフリー記者であるオルハン・ジェマリを中心とする取材チームで、反プーチン派の元実業家であるミハイル・ホドルコフスキーが創設した調査機関「調査管理センター」(ICC)の依頼で取材活動をしていた。

 ジェマリらがそのとき追っていたのは、ロシアの民間軍事会社「ワグナー・グループ」である。ロシアは今年(2018年)2月、中央アフリカ共和国の国軍の軍事顧問や大統領警備要員など180人を派遣しているが、それに関連して、ワグナー・グループも投入された疑惑が浮上していた。3人はその実態を探るために中央アフリカ共和国に入っていた。

 襲撃犯は約10人の武装グループだったが、その正体はまだ不明だ。プーチン政権の宣伝機関に等しいロシアのメディア各社は、強盗説や地元ゲリラ説を盛んに流している。だが、殺害の動機が最も高いのは、当然、取材対象のワグナー・グループもしくは、その動きを察知されたくないロシア軍当局だろう。

ロシア軍のダミーとして設立された傭兵部隊

 もっとも、ワグナー・グループとロシア軍は、一体化した関係にある。ワグナー・グループは、形式上は独立した民間軍事会社だが、その実態は、ロシア軍の情報部門である軍参謀本部情報総局(GRU)が海外で運用する「傭兵部隊」だ。欧米系の他の民間軍事会社のように独自にクライアント企業と契約して活動することはなく、もっぱらGRUの手配で、ロシア軍の東ウクライナやシリアなど海外での作戦の一部を代行している。ただし、その要員はロシア軍の正規兵の偽装ではなく、主にロシアの貧しい地方などで募集された民間の雇い兵が主力となっている。

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