安楽死反対のフランスで始まる「ソフトな安楽死」 変貌するフランスの終末期医療事情

「新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長持ちする」。(『新約聖書』マタイ9-17)
 オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイスという自由な小国の狭間で、ヨーロッパの大国、フランスとドイツが新酒を古い革袋に入れようと悩んでいる。

「安楽死ツーリズム」

 昨年末、フランスに関するこんな報道があった。医療のグローバル化により、患者が海外へ渡航して医療処置を受けることがトレンドとなったように、海外からベルギーへ安楽死を求めて訪れる「安楽死ツーリズム」が増加傾向にあるのだという(2018年12月24日付け『The Telegraph』)。ちなみに、安楽死が認められているオランダは、その対象を自国民に限定している。そのため、安楽死を希望する外国人は、ベルギーに向かうのだ。

 2016年と17年には、23人の外国人がベルギーに安楽死をしに来たそうだ。2017年の10月には、運動神経元性疾患を患っていたフランスの高名な作家がベルギーで安楽死した。安楽死を希望してベルギーにやってくる人々の中で、特にフランスからの希望者は年々増えているとのこと、また患者を連れてフランス人の医師がベルギーへ来て安楽死を行っていること、このままではベルギーはフランスのドレイン(排出口)になりかねないので、フランス人は1年に12人に制限することなどが報ぜられていた。

 一方、ドイツでは、安楽死の権利を求めてこの4月16日に憲法裁判所が開催されたというニュースがあった。現在のドイツの「業としての介助自殺の可罰性に関する法律」が患者の安楽死の権利を侵害していると訴えられている(ZDF)。

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