なす術なし、「不動産バブル」で致命傷の文在寅政権 「上がるも地獄、下がるも地獄」、打開策なき韓国の不動産政策

なす術なし、「不動産バブル」で致命傷の文在寅政権 「上がるも地獄、下がるも地獄」、打開策なき韓国の不動産政策

文在寅大統領(右)と、辞意を表明した側近の盧英敏秘書室長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)

 韓国の調査会社・リアルメーターが、実施した8月第1週(3-7日)の世論調査によると文在寅大統領の国政支持率は43.9%と、先週よりさらに2.5%下落した。逆に、否定的評価は3.0%上がり、52.4%となった。「不支持」と「支持」の差は前週の3.0%から8.5%に広がった。

 文政権の支持率低下には、雇用政策、不動産政策、北朝鮮への追従姿勢、尹美香(ユン・ミヒャン)前正義連理事長の不正など様々な要因があるが、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長のセクハラ疑惑に批判が集まり、革新政権の倫理性に疑問符が付けられたことで、文政権の固い支持基盤だった30代女性が離れ、政権に大きな衝撃を与えたのが3週間前の調査であった。

 だが、熱しやすく冷めやすいのが韓国の人心である。朴元淳市長のセクハラ疑惑と確信政権の倫理性に対する追及も、次第にトーンダウンしていった。

 それによって文政権の支持率は若干持ち直したかに見えたが、再び下落傾向に拍車がかかり始めている。その原因はここにきて、文在寅政権の不動産政策に対し国民の批判のボルテージが上がってきているからだ。

 後述するが、それは単に「政権の幹部だけがうまいことをやりやがって」という、やっかみに似た感情ではない。文政権の不動産政策の失敗が、あらゆる階層の国民生活に不安を与えていることによる批判だ。不動産政策は、国民の暮らしに直結する問題なのだが、文政権ではそのあまりのデタラメぶりに国民生活への不安が高まってきているのだ。それだけに一朝一夕に国民の不満を抑えることは不可能だろう。

政権発足から3年で52%上昇した不動産価格

 文政権はこれまで23回不動産対策として新しい規制を導入してきた。目的は、高騰し続ける住宅価格の抑制だ。

 だが、いずれも効果は少なく、政権発足後3年間で不動産価格は52%上昇した。これは朴槿恵(パク・クネ)政権の4年間で7.6%、李明博政権の5年間で2%と比べ、格段に高い上昇率である。

 ちなみに革新政権の不動産政策は押しなべて失敗している。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の5年間でも不動産価格は42.9%上昇している。これでも驚きだが、文政権では3年間で52%である。この異常な暴騰ぶりには驚愕するほかない。

 文政権の不動産対策の失敗によって、不動産価格は高騰し、多くの庶民が住宅購入をあきらめざるを得なくなった。特にソウル市内では、サラリーマンが住宅を購入することはもはや不可能な水準に達している。そのことに対する不満が爆発しているのだ。

 不満はそればかりではない。より大きな不満は、文政権の不動産政策が新たな住宅取得を考えていない国民の生活にまで深刻な影響を及ぼしているからである。

 文政権は、不動産価格を抑えるために不動産税を引き上げているが、それは複数住宅保有者ばかりではなく、自分の住む家しか持たない庶民にも「税金爆弾」として負担が重くのしかかることとなった。

関連記事(外部サイト)