「経済」が最大の関心事なのにバイデンを選ぶ不思議 米大統領選で「肉屋を支持する豚」の有権者が多いわけ

「経済」が最大の関心事なのにバイデンを選ぶ不思議 米大統領選で「肉屋を支持する豚」の有権者が多いわけ

選挙人の獲得で優位に立つバイデン候補(写真:AP/アフロ)

 米国で4年ごとに行われる大統領選挙では、解釈に苦しむ現象が見られることがある。いわゆる「肉屋を支持する豚」現象だ。本来ならば自分たちにとって不都合な、対立的な思想を持っている候補者を応援・支持する人のことを指す。

 たとえば、2016年にトランプ共和党候補が当選した際には、「ラストベルト」と呼ばれる製造業の衰退した中西部諸州で、没落した白人中間層のトランプ氏に対する支持が熱烈であった。そのため、「トランプ候補は彼らの必要とする医療保険のオバマケアを取り上げ、福祉を縮小すると公言し、製造業の工場を米国に戻すという約束も空虚なのに、なぜトランプに投票するのか」との議論が盛り上がった。

 裏を返せば、問題の核心は「なぜ社会的な弱者が、弱者に優しい民主党のヒラリー・クリントン候補に投票しなかったのか」という点にあった。

 今回の大統領選でも同様の現象が見られる。新型コロナウイルス感染のゼロリスクを追求する民主党の首長が厳格な都市封鎖(ロックダウン)を実施したことで経済は後退し、それによって多くの人が失業や収入減に見舞われた。また、住宅ローンや家賃が支払えなくなることによる強制立ち退き、民主党の教職員による対面授業の拒否で出勤や復職できないことに伴う困窮、これらが相まって起こる経済格差の拡大などに直面している。

 だが、民主党のコロナパニックで多大な不利益を被る中間層や低所得層が、都市部を中心に民主党のバイデン候補を当選確実にさせる原動力になったのである。なぜこれらの人々は、彼らの利益となる経済再開を一貫して主張した共和党のトランプ大統領に票を投じなかったのだろうか。

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