TPP参加を目指す中国の狙いと日本の対応 中立・公平を貫く主審の姿勢が世界から信頼される条件

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1.「双循環」の考え方が示すもの

 昨年来、中国経済の将来ビジョンを示すキーワードとして「双循環」という表現が頻繁に用いられている。

 それは国内経済循環を主として、国内経済および国際経済の2つの循環=「双循環」が相互に促進し合う形で新たな経済発展の局面を形成していく方向を目指すという経済政策運営の大方針を示している。

 米国では多くの有識者が、「双循環」の実際の目的は、中国経済の海外経済への依存度を低下させ、国内市場中心の経済構造に転換することを目指していると解釈している。

 すなわち、改革開放路線の変更である。

 その背景には、米国からの貿易摩擦やデカップリングなどの圧力によって中国経済が動揺するのを防ぐことができる経済構造の構築を目指すそうとする中国政府の意図があると見られている。

 一方、筆者は「双循環」という将来ビジョンは、従来からの改革開放路線の延長線上にあり、基本的には過去40年以上にわたって中国経済の発展を支えた基本方針を追認する概念であると理解している。

 筆者と同じように理解する米国の中国専門家も少なくないはずである。

 国内経済循環と国際経済循環のうち、前者が主導する形で経済発展を目指すという方針は2005年頃以降明確に示された。

 それ以前の輸出・投資主導型成長モデルから内需主導型成長モデルへと目標が転換され、その後基本的にその方針は変更されていない。

 すなわち、「双循環」は中国の経済成長モデルの転換を意味するものではなく、内需に力点を置きながら対外開放路線を重視する、これまでの経済発展モデルを保持する姿勢を示していると考えられる。

 ただし、中国国内でも「双循環」の解釈の仕方には幅があり、前者のような見方もあれば、筆者と同じような見方もあるなど、人によって見方が異なっているのが実情である。

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