【ミャンマー】ティラワSEZ住民移転テーマの作品が受賞 ワッタン映画祭

【ミャンマー】ティラワSEZ住民移転テーマの作品が受賞 ワッタン映画祭

ワッタン映画祭は普段は使われていない古い映画館「ワジヤシネマ」で開催(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2016年9月11日、ヤンゴンで開かれた「ワッタン映画祭」で、日本とミャンマーが共同で開発を進めるティラワ経済特区(SEZ)の住民移転問題を取り上げた「Move」がドキュメンタリー部門で受賞した。

 受賞したMoveは、コンソーモエアウン監督のドキュメンタリー。移転を迫られる住民が、家族の墓を掘り返して移動させる様子を撮影したもので、掘り出した遺体の映像を盛り込むなど衝撃的な作品だ。2015年に撮影されたもので、住民が移転した後の生活には触れられていない。同監督は取材に対し「ミャンマー各地で同様の事態が起こっているので、大型開発であるティラワを取り上げた」と話している。

 ティラワSEZは、日本とミャンマーの官民が進める工業団地で「日緬経済協力の象徴」といわれるビッグプロジェクト。ミャンマーには大胆な規制緩和と整備されたインフラによって、外国投資の呼びこみ経済発展の起爆剤とする狙いがある。

 住民移転を巡っては、ミャンマー当局が当初、強引な立ち退きを迫ったことなどから問題化。その後、国際協力機構(JICA)が専門家を派遣して和解に務め、移転した住民の生活環境は改善してきている面もある。その一方で、ミャンマーのメディア関係者には、急速に進む大型開発の象徴としてティラワSEZを批判的にとらえる見方も根強いことが、この作品で浮き彫りになった。

 ワッタン映画祭は、今年で6回目。目の不自由な伝統楽器奏者のドキュメンタリーや、アニメの手法を使った作品も上映された。日本の映画プログラマーの山下宏洋氏が審査員として参加。また、映像作家のかわなかのぶひろ氏が日本の作品を紹介した。
【執筆:北角裕樹】

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