【タイ】ネットへと移行した流行震源地ー旧来手法の会社は縮小

【タイ】ネットへと移行した流行震源地ー旧来手法の会社は縮小

YouTube動画のパフォーマンスが評判となり、人気も上昇しているブワ・カモンティップ

 2017年6月27日、タイの音楽業界は、この1、2年で急激に大きく様変わりしている。FacebookやYouTubeといったSNSが流行曲の発信源となり、個人が自ら発信した曲が立て続けに大ヒットとなっているのだ。このため、かつてテレビやラジオに大量の宣伝費をつぎ込んで、ヒット曲を生み出して来た大手レーベルは軒並み縮小されている。

 「マハーライ ウワ チョン」パッタルン・バンド、「サイワー シ ボ ティムカン」ゴン・ホワイライ、「シ ヒ ノーン ボ」クン・スパーポン、「カムペン」セック・チュムペー、「プサーオ カーロッ」ラムヤイ・ハイトーンカム・・・ これらの曲はいずれも大手レーベルに無関係か個人がYouTubeでアップしてヒットした曲だ。また、大手RS系のRサヤームで唯一気を吐いているが、「アーイ ミー ヘッポン」のブン・パトゥムラートなのだが、元は個人でネット配信した時からすでに人気があった。

 それぞれの閲覧数でも、冒頭のパッタルンが公開から3年で約2億回。セック・チュムペーは10カ月で約3億回を越えようとしている。そして首相に批判されて話題となった、ラムヤイのプサーオカーロッは、半年で2億5000万回を突破した。ちなみに最大手グランミー社で最も閲覧数が多かったのは、インリー・シーチュンポンのロングヒット「コーチャイターレークバートー」が、約2億回弱だが、多額の宣伝費をつぎ込んだ上に4年以上が経っている。大手が個人のYouTubeにかなわないというこうした事態にグランミー社、RS社ともに組織を縮小。ともに数百人単位がリストラされている。

 こうした流れは、インディーズ的な傾向としてヒット曲があるなしに関わらずに、コンサートを続けてそれをネットにアップすることで、徐々に人気が上がってくるという事例もある。老舗レーベルのトップライン社に所属しているものの大きなヒット曲もなくデビュー3年ほどのブワ・カモンティップなどはその好例だろう。ネットで彼女のビデオを見たプロモーターが、その内容を気に入って出演のオファーをしてくるのだという。

 大資本がなくても、個人が手持ち弁当で大スターになる。今後もこの傾向が続くのか、また違った発信源ができるのか。予測は不可能だが、昔から音楽好きで、エンターテイメントも充実しているタイに大きな地殻変動が起こっているのは確かだ。

協力:ルークトゥンタイランド https://www.facebook.com/LoogthungThailand/
【執筆:そむちゃい吉田】

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