ミャンマー株、2018年は反転なるか 外国人の売買解禁に期待

ミャンマー株、2018年は反転なるか 外国人の売買解禁に期待

オンラインドレードの開始で投資家の拡大が期待される(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2018年1月4日、株価が低迷するヤンゴン証券取引所に2018年には好材料が相次ぐとの期待が高まっている。昨年12月に始まったオンラインドレードによって投資家の拡大が見込まれているほか、1月にも初のIPO(新株発行を伴う株式公開)銘柄が登場する。海外の投資家から期待されている外国人売買の解禁も、新会社法が成立したことから現実味を帯びている。

 ヤンゴン証券取引所は、日本の官民を挙げての協力で2016年3月に取引を開始。同取引所には大和証券グループや日本取引所グループが参画している。しかし、開始以来株価は下落傾向で、2017年最後の取引日の12月29日には、代表的株価指数のMYANPIXは463.24と、開始当初の半値以下の水準で推移している。株価低迷の大きな原因はミャンマー人投資家が少ないことだ。6つの証券会社にある顧客の口座は3万件にとどまるとされる。また、証取発足以降、株価が下落を続けているため、投資家に成功体験が少なく、利益が出る投資先とみなされていないことも大きいと言われている。

 しかし、2018年はこうした問題の打開のきっかけになる動きが予想されている。まず、外国人売買の解禁の動きが加速していることだ。昨年12月、長年の懸案だった新会社法が成立。1914年制定の旧法では、株主に外国人がひとりでもいれば、ミャンマー企業とはみなされず、様々な面で不利だった。これが新会社法では、35%まで外国人がミャンマー企業の株を保有することができるようになるため、外国人投資家も上場するミャンマー企業の株を買えるようになるというわけだ。ある証取関係者は「新会社法が施行される予定の今年8月に合わせたタイミングで外国人取引を始めたい」と話す。

 また、初のIPO銘柄であるTMHテレコムが1月にも上場することも好材料だ。これまでヤンゴン証取に上場している企業は、店頭取引で未公開株を流通させ上場時には新株を発行しなかった。そのため、未公開株を上場後に市場で売却して利ザヤを稼ぐ投資家が多く、上場後の株価下落につながったとされる。しかし、TMHの未公開株はほとんど流通しておらず、多くの投資家がIPO価格で株を入手するため、「これまでのパターンとは需給バランスが違う。上場後の値上がりが期待される」という見方がある。そのほか、証取は現在は1日に2回しか行われていないマッチング(午前11時と午後1時の2回のみ板寄せが行われ、ザラバは無い)を、4回に増やして投資家の利便性を高めることを準備。昨年12月にオンライントレードが導入されたことなどから、投資家のすそ野を広げる効果を期待する声も高い。

 一方で、否定的な見方もある。歴史的な経緯からミャンマーの資産家は金融機関を信用せず、資産は土地や金などに投資する傾向が強いことが、株式投資の普及の壁となっていると指摘される。また、外国人投資家にとっては、不安定なチャット相場が不安材料だ。現在1ドル=1350チャット前後と比較的堅調に推移しているものの、「巨額の貿易赤字から見ても、いずれ下落する」との専門家の見方も強い。あるエコノミストは「1ドル=1800チャットから2000チャットまで下落する可能性がある」と指摘している。

 いずれにせよ、今年で取引開始2年になるヤンゴン証取はまだよちよち歩きだ。取引額が少ないことから株価も不安定で、論理的に動くとも限らず、しばらくはリスクが大きい市場であることは間違いなさそうだ。
【執筆:北角裕樹】

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