カンボジア全土の道路と橋の管理システムを構築-JICA

カンボジア全土の道路と橋の管理システムを構築-JICA

日本の援助で補修工事が続いているプノンペンの日 本カンボジア友好橋(石川正頼氏撮影)

 2018年1月22日、JICAカンボジア事務所が発行するカンボジアだよりNo77に『カンボジア全土の道路と橋の管理システムを構築 3年にわたるプロジェクト終了へ』と題する記事が掲載された。

 (記事)JICAがカンボジア公共事業運輸省とともに取り組んできた「道路・橋梁の維持管理能力強化プロジェクト」が、本年3月に3年にわたる協力期間を終えます。

「道路や橋の点検・維持管理がなぜ大事なのかという基本的な概念から始まり、維持管理サイクルの導入整備や点検・維持管理業務に関する各種技術も共有できた」とJICA専門家の小川晃市さんは語ります。

 カンボジアに現在ある橋梁の約半数は、内戦後、特に2000年代以降に架けられました。近年、その一部で損傷が発見されていますが、技術的観点からの橋梁維持管理はこれまで実施されていませんでした。このような状況を改善するため、点検・診断・補修・記録で構成される維持管理の各技術・ノウハウをカンボジア側へ技術移転するプロジェクトが開始されました。

 プロジェクトでは、まず全国約2,300カ所の橋の位置や種類等の基本情報を集めることから始めました。それまでカンボジアで「橋の管理」とは、清掃や除草、防護柵の維持管理など、橋の表面をきれいに保つことが中心でした。構造物本体の点検は、ほとんど実施されていなかったといいます。

 そこでプロジェクトでは、タブレットを使って橋梁の状態を撮影したり、記録したりするシステムを開発。点検結果を記述式ではなく、選択式にして簡単に記入できるようにするなど、経験や知識が十分ではない職員でも、必要な検査が漏れなく実施され、その結果がデータベース化される仕組みをつくりました。公共事業運輸省は、この橋梁データベースをもとに、補修や維持管理の計画を立て実行していきます。

 「構造物を低予算で長持ちさせるためには、初期からの定期的な点検と補修が重要。中にはあまり英語が得意でない職員もいる公共事業運輸省地方機関における研修の際には、カンボジア工科大学の教授などをセミナーに招いて母国語のクメール語を用いて様々な技術的角度から話をしてもらった」と、小川さんは話します。

 このほかプロジェクトでは、過積載の車両調査を「つばさ橋」で実施。また、損傷による凹凸など、道路の路面状態を測定する「道路性状の簡易評価システム(DRIMS)」を利用した国道の調査や、維持管理計画の策定支援などを実施しました。

 さらにプロジェクトでは、カウンターパートの公共事業運輸省の理解を深めるだけでなく、経済財政省など他機関を含む「合同調整委員会(JCC)」を開き、広く維持管理の重要性への理解促進に力を入れました。管理システムを維持していくためには、予算確保も重要だからです。

 小川さんは「維持管理システムの基盤をつくり、技術を伝え、予算も確保できるようになったが、これを継続するためには責任を持って今後の維持管理を担う人材がカギとなる。残りの協力期間で、人材育成の仕上げをしたい」と話しています。(実施体制:(株)建設技研インターナショナル・阪神高速道路(株)JV)

【編集:AY】

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