【カンボジア】地方経済の活性化に向けて IT研修の講師育成を支援ーCIESF

【カンボジア】地方経済の活性化に向けて IT研修の講師育成を支援ーCIESF

IT研修講師育成のプロジェクトに携わるメンバー

 2018年2月22日、JICAカンボジア事務所が発行するカンボジアだよりNo78に『地方経済の活性化に向けてIT研修の講師育成を支援――CIESFが草の根技術協力で』と題する記事が掲載された。

 (記事)カンボジアで教育支援事業を行っている公益財団法人CIESF(シーセフ)が、カンボジアのIT人材育成の強化を目指して、IT研修の講師育成を開始しました。JICAの草の根技術協力事業「地方経済の活性化に必要なIT基礎能力取得と認定のための研修支援事業」として、カンボジアの郵電省情報通信技術研究所(NIPTICT)と共に、今後4年をかけて実施していく事業の第一弾となります。

 CIESFの理事・プロジェクトマネージャーの布施誠さんによると、研修は初級・中級・上級の3段階で、対象はNIPTICTの講師陣に加え、郵電省、内務省、労働省などで勤務する技官、国立・私立大学の講師、民間IT関連企業の技術者等が中心です。1月下旬にプノンペンの郵電省で行われた初回の初級研修では、41人が登録し、35人がめでたく修了しました。「初級」といっても、すでに知識や技術を持つプロのエンジニアを、実践的IT研修の講師として活動できるようにするのが目的です。ここで育った講師たちの何人かは、2019年以降、首都だけでなく、バッタンバン、バンテアイメンチェイ、スバイリエンの各州で民間企業の技術者や学生たちにIT研修を行います。カンボジア全体のIT人材の能力を底上げし、リソースを増やしていこうという狙いです。

 カンボジアは順調な経済成長を遂げていますが、一方で都市部と地方との格差拡大が社会問題になっています。その一因が地方での技術人材の不足であり、なかでもIT人材の育成が進んでいません。布施さんによれば、「カンボジアは携帯電話網を軸に通信インフラが発達しているにもかかわらず、通信費や電気代が高く、地方の低所得者層は気軽に通信インフラを利用できないという現状があり、ネット利用の阻害要因になっています」と、指摘します。また、昨今の建築ブームのあおりを受け、大学でのIT専攻の人気が下がり、建築関係技術者に比べ、IT 技術者の給与がかなり低いため、「職業としてITの人気がないことも問題となっています」と言います。

 布施さんたちは、IT開発戦略やマネージメントの研修も実施して、IT技術者の質を向上させると同時に、就職希望の優秀な研修修了者への就職活動も手伝い、地方では村落住民を対象にITが社会で担う役割などを伝える啓発活動も行いたい、としています。また、アジア7ヵ国で実施されているITEEという日本発の情報処理技術者資格試験制度の導入を目指し、カンボジア国内に実施体制を整備していきます。

 布施さんは、「これからはビジネスのみならず、生活のさまざまな側面にITが導入されます。IT技術者のニーズはますます高まっていくでしょう。人材のすそ野を広げ、層を厚くし、見識のあるIT技術者を育てることが必要です」と話しています。
【編集:YA】

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