モディ首相率いるインド人民党、躍進するも単独過半数に及ばずーHSBC投信

モディ首相率いるインド人民党、躍進するも単独過半数に及ばずーHSBC投信

インドのイメージ

 2018年5月29日、HSBC投信は、インドの2つのトピックスを伝えた。

【トピックス1】州選挙の結果: 国政与党BJP、躍進するも単独過半数に及ばず

 インド南部カルナタカ州で5月12日に州議会選が行われ、モディ首相率いるインド人民党(BJP)が、前回2013年の40議席から104議席に大きく躍進し、第1党となった。しかし、単独過半数(112議席)には及ばなかった。その結果、主要3政党がそれぞれ政権担当に必要な支持を得たと主張し、州の政情は数日間混乱に陥った。

 BJPの最大のライバルである国民会議派は2013年州選挙の122議席から78議席に後退した。選挙後、国民会議派は、新連立政権を発足させるために、38議席を得た地域政党のジャナタ・ダル(世俗派)(JDS)を無条件に支持すると発表した。

 州知事(大統領任命職で、州議会の多数派指導者を州首相に任命する権限を持つ)は第1党となったBJPに新政府樹立を指示した。しかし、BJPが推す新首相が宣誓を終えても政情の混乱は続いた。それは、国民会議派・JDS連合が州知事決定の却下と州議会の多数派としての地位認定を求めて提訴したからだ。

 BJPが推す州首相は、就任から3日目の19日にBJPが州議会で過半数を得る可能性がないことを認めて、退陣した。その後、国民議会派・JDS連合に支持された新州首相が23日に就任した。

 カルナタカ州選挙で与党BJPが単独過半数を獲得できなかったのは、同州の社会・地域における緊張の高まり、未だにまだら模様の経済成長、インフレに対するインド国民の失望の表れだという見方がある。

 しかし、最終的にはBJPにとり残念な結果とはなったが、BJPが伝統的に弱いとされてきたカルナタカ州で単独過半数まであと数議席に迫る第1党となった事実は特筆に値する。

 インドではこれから2019年の下院(任期5年)総選挙まで、大きな人口を抱える中部マディヤ・プラデーシュ州、西部ラージャスターン州など多く地域で州議会選挙が予定されている。言い換えれば、カルナタカ州の選挙結果とは関係なく、中央、地方を問わずインド全体が選挙モードに入り、ポピュリズム政策がより目立つ流れとなりそうだ。

【トピックス2】インフレ率上昇で中央銀行はタカ派色を強める可能性が高い

 インドの4月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(WPI)はいずれも上昇した。その最大の要因は、米国が対イラン経済制裁の再開を決定したことなどから、原油価格が2014年11月以来の高値をつけ、燃料価格を押し上げたことにある。

 政府はカルナタカ州議会選を控えていたこともあって、原油価格上昇の影響がそのまま国民生活に及ぶ状況を回避しようとしてきた。しかし、政府系石油会社は投票終了後にガソリンと軽油の価格を引き上げた。

 市場の関心は、インド準備銀行(中央銀行)が6月6日に開く金融政策委員会に向けられている。市場では、中央銀行が委員会後の声明またはフォワード・ガイダンスでタカ派色を鮮明にするとの予想が主流となっている。引き続き、インフレ率見通しが中央銀行の今後の政策を占うカギとなる。

 成長率の上昇、モンスーン期(6〜9月)の降雨量、主要穀物の政府買い取り最低保証価格(MSP)引き上げの物価への影響次第では、中央銀行が8月に政策金利を引き上げる可能性があるというのが市場のコンセンサスとなっている。
【編集:KL】

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