【ミャンマー】動画配信サービスが続々、ビルマ語コンテンツが奪い合いに 映画協会など囲い込み

【ミャンマー】動画配信サービスが続々、ビルマ語コンテンツが奪い合いに 映画協会など囲い込み

サービスを開始したマハーモバイル(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2018年7月29日、新しいミャンマーの動画配信サービス「マハーモバイル」がこのほどサービスを開始した。携帯電話キャリア最大手のミャンマー郵電と組んでの事業で、4G(第四世代)ネットワークの普及でミャンマーにも浸透してきた動画コンテンツをスマートフォンのアプリで提供する。同分野ではミャンマーではすでに、マレーシア系アイフリックスが事業を展開しているほか、アイルランド人らが立ち上げた「ヨッシンゴー」もサービスを開始している。世界的な潮流を受けたものだが、優良なビルマ語の動画コンテンツは少なく、奪い合いになっている。

 6月27日のオープン記念式典では、ミャンマー映画協会で行われ、協会幹部が登壇。マハーモバイルとの連携を印象づけた。マハーモバイルはまず400タイトルから開始して、「毎週タイトルを追加して、1年後には1000タイトルとしたい」(マハーモバイル側幹部)という。一方で、膨大な海外コンテンツを抱えるアイフレックスもミャンマーの映画イベントに幹部が足を運んでビルマ語コンテンツを開拓。ヨッシンゴーはミャンマーの独立系映画に焦点を当て、若手映画人のイベントをサポートし、囲い込みを狙う。

 かつてヤンゴンが「東洋のハリウッド」と呼ばれたこともあるというミャンマー映画界は、長い軍事政権の厳しい抑圧のために衰退。映画館も減少し、担い手が少なくなり、現在優良なコンテンツに乏しいとされる。

 一方で、ここ1〜2年、海外から帰国した独立系映画監督が、人気作品を生み出している。動画配信サービスだけでなく、新興の民間テレビ局やインターネットメディアもこうした優秀な映像製作ができる人材を欲しており、業界の人材不足は深刻だ。その一方で、マハーモバイルは映画一本当たり99チャット(約8円)という低価格で映画を配信しており、同社など配信サービス側が映画製作者側に支払われる報酬には限界もありそうだ。こうしたサービスが続々誕生しても、良質な作品を生み出す好循環となるかどうかは未知数だ。
【取材/執筆:北角裕樹】