タイ医学の普及を目指す成長戦略ーナショナルハーブEXPO 2018

タイ医学の普及を目指す成長戦略ーナショナルハーブEXPO 2018

第15回ナショナルハーブエキスポ

 2018年7月18日〜21日の4日間、バンコク近郊のインパクトムアントンタニで「第15回ナショナルハーブエキスポ」が行われました。

 タイでは、国のヘルスプロモーション政策の中で、タイ医学を大きな柱の一つに位置付けています。タイ医学とは、タイ古式マッサージ、ルーシーダットンと呼ばれるタイヨガ、そしてタイハーバル療法の3つの分野で成り立っていますが、特にタイハーバル療法は、普段の食生活と強く結びついているので、タイ政府も国民への啓蒙活動に積極的です。

 栽培関連(農業)、商品開発関連(工業)、サービス関連(商業)、そしてそれぞれの、学術機関との研究活動(学術・教育)についてなど600近くのブースが出店し、タイハーブだけでなく、タイハーバル療法が盛り込まれたタイ古式マッサージやタイスパ関連のブースにも連日長蛇の列が続きました。

 タイハーブは、古の時代からタイ料理にはもちろんのこと、髪や身体を洗うときに、髪や皮膚のケアに、また体調を整えるために煎じて飲むなど様々に活用されてきました。現代ではサプリメントや石鹸、シャンプー、クリーム、ハーバルアロマオイル、ハーバルドリンクなどとして継承され続けていますが、さらにクオリティを高め、利用しやすくする取り組みが高まっています。

 今回のエキスポも、そのために各業種がいかに連携していくことが国全体の発展にも繋がっていくか、という政府の意向が反映されたコンセプトで行われ、分かりやすく工夫された説明に、各ワークショップやビジネスマッチングのコーナーにも多くの人が訪れました。

 タイでは、タイ医師によるタイ医学的な診察後に、個々の症状に合わせたタイ古式マッサージやタイハーバル療法を組み合わせてセラピーを行うタイ医クリニックが増えています。これもヘルスプロモーション政策の一環です。エクスポでも、アパイブベート病院など一つの課としてタイ医学を取り入れている病院のブース、ワットポータイトラディッショナルメディカルスクールのタイ医クリニックなど、真剣なまなざしで健康チェックに訪れる方々がとても印象的でした。

 タイ保健省(Ministry of Public Health)は、伝統的でありながらそれをさらに発展させ、現代に融合させた「タイ医学」を、5年後にはアセアンで、10年後にはアジアで、20年後には世界でも「タイといえばタイ医学」と認識してもらえるような分野に成長させていきたいとの目標を掲げています。
【宮原由佳:MPH/タイ医学研究家】

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