【ミャンマー】ラウェイ金子、ムエタイの膝蹴りに沈む 闘志裏目に、過酷なルールに涙

【ミャンマー】ラウェイ金子、ムエタイの膝蹴りに沈む 闘志裏目に、過酷なルールに涙

右キックを放つ金子選手(右)(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)

 2018年9月23日、ミャンマーの伝統格闘技ラウェイの「ラウェイ・ネーション・チャンピオンシップ」がヤンゴンで開かれ、現地王者の実績を持つ金子大輝選手がタイのサンコム選手と対戦した。金子選手は、キックや頭突きで積極的に攻めたものの、膝をついたところにキックや膝蹴りを受ける展開で、2ラウンドKO負けした。

 試合開始直後は、ワンツーや強烈な頭突きで相手を後退させた金子選手だったが、1ラウンド半ばに、サンコム選手の膝蹴りで膝をついたすきに、頭部にキックがクリーンヒット。ダメージが抜けきらずにフットワークが鈍くなった金子選手は、再び相手に頭を押さえられた状態で膝蹴りを顔面に食らってダウンした。金子選手のセコンドがタイムをとってノックアウトから逃れた。

 2ラウンドでも果敢に前に出た金子選手だが、ムエタイ流の肘や膝をまともに受け、何度もリングに転がった。2ラウンド半ばで、崩れ落ちざまに3回の膝蹴りを顔面に受けてダウン。気力を振り絞って立ち上がりファイティングポーズをとったものの、レフェリーが10カウントを宣言、KO負けとなった。

 試合では、金子選手が片膝をついた状態で相手のキックや膝蹴りを頭部に受ける危険な場面が目立った。キックボクシングに似たミャンマーの伝統格闘技ラウェイでは、選手はグローブを着用せずバンテージのみの拳で殴り合う。頭突きや肘、立った状態での関節技など、ほとんどすべての攻撃が許されており、「世界で最も過酷な格闘技」などと呼ばれる。ラウェイに詳しい識者は「ラウェイでは、膝をついた状態はダウンの途中の動きとして、レフェリーが止めるまでは攻撃が許されている。このルールをしっかり把握していなかったのが金子選手の敗因だ」と分析する。ダウンするまいと踏ん張る闘志が裏目に出た格好だ。

 試合終了後、ロッカールームで金子選手は「結果を出さなくていけない試合だった。悔しい」とつぶやいた。今回の試合でラウェイで10試合目を数える金子選手。「このままでは終われない。一戦一戦頑張りたい」と自分に言い聞かせるように話した。
【取材/執筆:北角裕樹】

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