インド政府はノンバンクの債務不履行を受けて、金融システムの保護に乗り出す-HSBC投信

インド政府はノンバンクの債務不履行を受けて、金融システムの保護に乗り出す-HSBC投信

インドイメージ写真

 2018年10月2日、HSBC投信は、インド政府がノンバンクの債務不履行を受けて、金融システムの保護に乗り出すことについて伝えた。

 (レポート)インド政府は、国内インフラ開発・金融大手の一社について、デフォルト(債務不履行)に陥ったことを理由に、経営陣を入れ替えると発表した。大手ノンバンク金融事業会社(NBFC)の経営破綻が他のノンバンクや金融機関の信用不安を高めることが懸念され始めたため、政府は異例の経営介入に踏み切った。同社はこれまでインド準備銀行(中央銀行)によって「システム上重要な」機関として位置づけられてきた。

 同社は過去30年間、インドの主要インフラ・プロジェクトに融資を行ってきた。経営多角化でプロジェクト開発にも乗り出したことから、その累積債務は125億ドル相当に膨らんだと言われる。中央銀行は2018年6月に政策金利を4年5カ月ぶりに引き上げ、さらに8月に追加利上げを行った。その結果同社は債務の元利払いが滞る事態に追い込まれた。

 デフォルトを受けて同社及び子会社の信用格付けが相次いで引き下げられたことから、ノンバンク部門全体に信用リスクが波及することへの懸念が高まった。

 さらに、同社がインフラ・プロジェクトへの融資や支援を継続できなくなれば、インドのインフラ開発全体に影響が及ぶという不安も広がった。

 インドの格付け会社ICRAは、9月に当該ノンバンクが短期、長期の負債について期限までに元利の支払いを履行できなかったため、格付けを「デフォルト」と判定した。

 政府が介入する前に、同社は債務返済資金を確保するために社債の発行、借入上限の引き上げ、株主割当増資について株主から承認を取り付けた。

 同社の経営陣刷新後、政府はインフラ関連金融機関によるデフォルトの連鎖を防ぐ方針を表明するとともに、重大不正捜査局(SFIO)に捜査を命じた。新取締役会には国内大手銀行の首脳(複数)を含む6人が選任され、経営再建に向けた資産売却が既に進められている。

 インド政府の民間企業への介入は異例のことであり、今回はほぼ想定外の出来事であった。政府による民間企業への介入は、2009年に国内IT業界4位(当時)の会社による粉飾決済が発覚した時以来である。
【編集:WY】

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