「みんなの頑張りをみて自分もあきらめずに泳ぎきることができた」 ラオスの障害者スイマーが輝いた1日

「みんなの頑張りをみて自分もあきらめずに泳ぎきることができた」 ラオスの障害者スイマーが輝いた1日

閉会式後は、メダルを胸にみんな笑顔。

 2019年4月、海外で様々な支援を行うJICA。ラオスでは障害者水泳大会が開かれた。JICAウエブサイトに掲載された記事をお届けする。

●ラオス第1回ナショナルパラ水泳大会

 2018年4月3日と4日はビエンチャン市内のプールで、全国から集まってきた障害者の水泳選手を対象に、パラ水泳のワークショップが行われました。指導にあたったのは、日本のパラ水泳の専門家である小木曽充氏。約30人の参加者は、ナショナルチームのメンバーから、今まで川や沼でしか泳いだことのない人まで様々ですが、みんな一生懸命に練習に取り組みました。そして4月5日(金)は、練習の集大成として、第1回ナショナルパラ水泳大会が開催されました。

 ワークショップと大会を運営したのは、ラオスで活動する日本のNGO「アジアの障害者活動を支援する会(Asian Development with the Disabled Persons: ADDP)」。ADDPは、JICAの草の根技術協力事業を通じて、ラオスの教育スポーツ省とともに障害者スポーツを振興しています。車いすバスケットボール、ゴールボール、陸上、水泳、パワーリフティング等において、日本からの専門家を通じたノウハウの共有やラオスにおける指導者を育成中です。これらの競技に加え、障害の有無にかかわらずみんなで楽しめるユニバーサルスポーツの普及にも努めているところです。

 大会には、歌手でJICAラオス事務所のオフィシャルサポーターでもあるター・エイパクツ氏も応援に駆けつけてくれました。開会式では得意のトークで緊張している試合前の選手たちの気持ちをほぐします。そんなターさんに応え、視覚障害の一人の選手が得意の歌を披露、みんなが笑顔と手拍子で盛り上げました。それに続きターさんがJICA応援ソング“Love is all around”を熱唱し、選手の気持ちをひとつにまとめ、試合につなげます。

 大会では全部で18の試合が行われ、各選手が複数の部門に参加し、そして一人も脱落することなく泳ぎ切りました。

 試合終了後の閉会式では選手一人一人に対して、ワークショップへの参加と大会での記録に対する証書と、メダルが授与されました。

●初めてプールで泳いだ人も。

 ターさんからメダルを受けたMs.Boualaphan HATSADYはポリオの後遺症で両足に障害があります。ナショナルチームのメンバーとして、ミャンマーやマレーシアの大会に出場した経歴の持ち主です。「足は最初のキックに使うだけで、あとは両腕だけで泳いでいます。すでにアジア大会で銀メダルと銅メダルをとったので、次はラオスの人の笑顔のために金メダルを目指して頑張りたい。自分の体をよく知り、どうやったら早く泳げるかを考えています。今日も他の選手の頑張りを見て、ますますモチベーションがあがりました。」

 視覚障害者のMr.Phaは、ターさんから大会はどうだったかと聞かれてこう答えました。「最初は緊張しました。地元のシェンクワンにはプールがないので、ワークショップに参加するまでプールで泳いだことがなかったんです。でも大会では応援が聞こえてがんばろうという気になれました。これからも応援をよろしくお願いします。」 ラオスの障害者へのメッセージを求められると「互いにできることをサポートしあいましょう」と語ってくれました。

 両肩から下のないMr.Keokhouhuen XAYSOMPHONEは、小さい時は自然の川で友達と遊び、飛び込んで沈んだ時はお兄さんが助けてくれたそうです。地元にはプールがないため、普段は陸上で走り込み等のトレーニングをしているとのこと。ターさんからの「腕なしでどうしてあんなに早く泳げるのか」との質問に、腰も健常者とは違うので、足だけで泳いでおり、コーチが指導してくれていると答えました。「今日、初めて応援をもらいながら泳ぎました。最後の3つ目の種目の時は疲れ切っていて棄権も考えたのですが、他の選手が頑張る姿を見て力をもらい、最後まで頑張りぬくことができました。」

 ターさんはこの大会を見た感想として、「どんなに疲れていても最後までがんばったみなさんは素晴らしい。夢に向かって進み、これからも成長してほしい」と語りました。

 大会後にメダルを胸にした選手たちの輝く笑顔が印象的なイベントでした。教育・スポーツ省障害者スポーツ局も熱心にADDPとともに障害者スポーツの普及に取り組んでいます。JICAはこれからも彼らの活動をサポートしていきます。
【JICAラオス事務所:戸倉 裕子】

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